ケアマネ日記

もしも高齢者の子供が引きこもりだったら 前編

このお話は、もしかしたら少し誤解を生むかもしれないしそうではないかもしれないし、不安に陥る人もいるかもしれないし安心する人もいるかもしれない、わりとデリケートなお話です。

 

引きこもりの子供が親の年金で生活している、そういった話を何となく耳にしたことがありませんか?

えらいこっちゃなあ、そう思いながらも、ちょっぴり他人事だったりしませんか?

もちろん私もそうでした。

 

でもね、ここ数年こういった事例が本当に増えてるんですよ。

今私が働く事業所では、すべてのケアマネがこの手のケースを担当しています。

最近全員コンプリートしました。

コンプリートの使い方ちがうかもしれん

 

私自身は5年ほどこの問題を抱える家庭と関わっているのですが、はたで見ているより事態は複雑です。

そして知ってほしいのは、誰かが悪い訳じゃないということ。

こうなるにはそれなりの時代背景があるんです。

 

偏見を無くす意味でも、こういった事情を抱える家庭の一例をお話していけたらなと思います。

 

引きこもりの息子と認知症の母

このタイトルだと、「息子悪いやっちゃな!!」てなりがちなんですけど、そうじゃないんですよね。

 

これは私が担当していたケースです。

とある高齢女性Aさんとその息子が二人で暮らしていたとしましょう。

関わりだした頃は、すでに認知症の兆しはありながらも、Aさんはまだまだ自分のことは自分でできていました。

いつ訪問しても二階に息子さんが潜んでいることを除けば、普通の利用者さんです。

 

息子さんの存在は他の家族さんから聞いて知っていたのですが、数年は姿を見たことがなかったんですよね。

ただいつでもいる。二階にいる。

 

Aさんは認知症でしたが何とか身の回りのことができていたし、遠方とはいえキーパーソンは娘さんもいたし、特に息子さんに頼ることはありませんでした。

 

しかしながら時が過ぎ、Aさんの認知症が進行し、会話もなり立ちにくくなって家事もできなくなってきて、そうも言ってられなくなってきたんです。

 

大人の発達障害

そのころにはAさんの認知症も進行していましたが、私もずいぶん図太くなっており、二階にいる息子さんを呼び出して話をしたりはしていました。

目が合うことはなかったけど、おとなしくて悪い人ではなかったです。

ただ、すぐに気づきました。

多分なんかしらのしんどい面があるんだろうなって。

 

結論から言うとその後この息子さんは、何年もかけて発達障害と知的障害があることが判明します。

 

いや、はっきり言うとそういった何かはあるということは初対面でみんな分かったんですが、本人もAさんもその娘さんも認めなかったんですね長いこと。

 

今ってね、わりと発達障害とか、すぐに指摘されるじゃないですか。

それを受け入れるのって、つらいと思う親御さんがほとんどですよね。

でもね、それは絶対に無駄じゃないです。

 

今の高齢者の子供世代で何が問題かというと、「大人の発達障害」です。

 

なんかおかしいな、なんか生きづらいなと思ったまま、大人になり、仕事でもうまくいかなくて引きこもりになってしまう。自分に自信がなくなってしまう。

誰もフォローをしてこなかったので、本人に自覚がないことはもちろんですが、一番問題なのは、親御さんに意識と覚悟がないことだと思います。

 

対人関係や仕事でつまづく子供が心のどこかで受け入れがたくて、その存在を隠したり否定したりするというか、発達障害に対する対応ががっちりしっかり間違ってるんですよ。

その時代では仕方がなかった話なので、親御さんを責めるのもお門違いなんですけどね。

 

ちなみに私の利用者さんで、50歳過ぎまで知的障害がわからなかった方がおられます。

今は療育手帳Aを持っているので、なかなか重度な知的障害です。

この方にも、親御さんがひたすら「家にいればいい」と言い続けてきました。

社会的に適合が難しかったのであちこちでトラブルになり、家から出なくていいと言っていたそうです。

他の家族さんも、知的障害の方に対する正しい対応ができておらず、一時障害福祉課も交えて話し合いを行うなどしていましたが、大きく改善されていません。

 

ようするに、今の発達障害の子供に対する療育は、親御さんの意識のあり方の指導もしますよね。

それは本当に大切なことだと思います。

そして、正しい対応方法を親御さんが学ぶことで、発達障害の子供の未来は確実に明るいものになると思います。

だから、今しんどくても頑張ってほしいなって、えっと何の話してましたっけ?

 

Aさんの話に戻りましょうか←当たり前や

 

ようするに、認知症が進行して、Aさんには身の回りの世話が必要になったと。

同居している息子さんの出番ですよと。

ところがどっこいこの息子さんにはその能力がないと。

 

しかしながら何らかの障害があるという確定診断は下りていないし、本人もAさんも家族さんも「ただの引きこもりで何の障害もありません」と言い切るとすると。

こうなると本当にまいっちんぐなことになってしまうんですね。

 

このお話はしっかりとしていきたいので、二回戦に続かせてください。

ではでは。