口からご飯が食べられなくなった時に、胃に穴をあけて栄養を注入する胃ろうを造設するかどうか。
ケアマネとして働いていると、利用者さんが体調を崩し、この問題に直面することは少なくありません。
そしてその時、何を基準に胃ろうをするしないを判断すればいいのかわからない家族さんがほとんどで、
と相談されることよくあります。
もちろん胃ろうをする方がいいのかしない方がいいのかは一概には言えませんし、判断するのは本人さんや家族さんではあります。
しかしながら、胃ろうにするとどうなるのかなんかは、あまり想像できないですよね。
胃ろうをされる方はもちろん老若男女問わずおられるのですが、ここではあくまでも「高齢者介護」の観点から、胃ろうについてお話していきます。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
高齢者が胃ろうになるきっかけとは
そもそも胃ろうとは何なのかという話なんですが、それが知りたきゃ他のサイトをよろしくお願いしますということで←
ウィキペディア様からお借りしました説明はこちら☞☆
簡単に言えば胃に穴をあけて管を通し栄養を流す、以上。
仕組みは非常にシンプルです。
よくわからないんですけど(←)、手術もそう難しくないらしい。
ものすごく高齢の方もしてますから。
高齢者が胃ろうになる原因としては、誤嚥性肺炎や脳卒中が多いですが、理由ははっきりしないけど口から食べるのが難しくなってきた、という方もいます。
医師から胃ろうを勧められる段階で
もうまったく口から食べることができず、点滴や鼻腔栄養で栄養を摂取している人もいれば
口からは食べることができるんだけど誤嚥がひどくてとてもむせる、飲み込みが悪い
そういう方もいます。
病気で入院中勧められる人が多いけど、そもそも在宅で栄養摂取が難しくなって、胃ろう造設目的で入院して手術する人もいます。
ただ、医師を筆頭とする医療従事者と、胃ろうを提案された側との温度差はものすごくあるように思います。
医師は胃ろうを軽く考えすぎるし、患者側は重く考えすぎる。
うん。すべてはここやと思いますね。
医療的な話は医師がしてくれても、胃ろうにした後の実際の生活がどうなるのかは教えてもらっていない人が多くてていうか医師も知らんのちゃうかな帰ってからのことなんか、どうしようどうしようってなっちゃうんですよね。
その辺の不安を解消できればなあと思い、以下に続きます。☟
高齢の要介護者が胃ろうにするメリットとは
繰り返しますが、ここでいうメリットは、あくまでも高齢者介護の観点からのお話です。
若い人や介護保険が関係ない人はまた違うかもしれないし、医療従事者から見た観点も違うかもしれない。
あくまでもケアマネ目線ってことで( `・∀・´)ノヨロシク。
胃ろうにした方が施設入所がしやすい
もうホントこれにつきます!
病院で急性期の治療が終わり、何らかの事情で口からご飯は食べられないけど他の施設やリハビリの病院に移りましょうってなった時。
私の経験上、胃ろうでなければまず断られます。
私ら素人からしたら、鼻から鼻腔栄養をしていようが胃ろうじゃなくて腸ろうだろうが同じじゃないのって思いますけど
胃ろう以外の経管栄養ですと、よほど医療に特化した施設か療養型病床しか引き受けてくれません。
点滴や中心静脈栄養なんかもってのほかです。
この理由で胃ろうを造設する人はとても多いです。
それだけ胃ろうが管理しやすいということもあるんでしょうね。
胃ろうにしたことで体力が付く
これ、ちょっと伝えたいことがうまく表せないんですけど、胃ろうになったことによって元気になる人って、少なからずいらっしゃるんですよね。
体力が付くというか元気になるというか、ようするにそれまで不十分だった栄養状態が、胃ろうから注入することによって改善されて、いい方向に向くというか。
胃ろうにする人って、もうすっかり寝たきりで、延命治療としての処置になるって考えてる方もおられるんですが、一概にそうとも言えません。
脳卒中の後遺症なんかで、他は問題ないけど嚥下機能が落ちただけの方とかもいます。
口の病気で経口摂取が難しくなっただけの方もいますしね。
で、私が感じたこととしては、胃ろうが必要になる方って、ようは口からご飯が充分に食べられないから、栄養が足りてなくて調子が悪いってこともあり、気力がなくなったりしています。
それが充分に胃に栄養が入ることで改善される人がいるんです。
ちなみにですが、うちの息子は諸事情により鼻腔栄養のお世話になることが数回ありまして。
胃に穴開けこそしないけど、入れる注入食も同じなら胃にダイレクトに栄養が入るのも同じ。
職業柄興味津々で(おい)、「どんな感じなん?」て聞いてみたんですよ。
若干おバカな中学性男子の回答といたしましては
「なんかなー、食べてへんから口はお腹すいてんねんけどなー、知らんうちにお腹いっぱいなるからなー、変な感じ。ほんでなー、量が多い時があってなー、それは気持ち悪くなるねん。でもな、終わったらお腹いっぱいやで(・∀・)」
とのことです。
言わんとすることはわかりますかね、空腹感は解消されて、それに関しては満足感あるようですね。
さらにちなみに言いますと、息子の場合は口以外はしっかりしているので、経管栄養をつなぐのは自分でもできます。
入院中なので看護師さんがしてましたけど、その後「お腹すいてんねん(・∀・)」って、勝手に自分で注入速度は変えてました(おい)。
ようは簡単。超簡単。子供でもできるほど簡単。
胃ろうの場合、基本的に半年に一度程度はチューブの交換に行かないといけないですが、普段はそれほど手がかかる処置ではありません。
それも、医療従事者がお勧めする理由かと思います。
長くなりましたので、胃ろうについてのお話②に続きます☆