高齢者の介護拒否に対しては、無理をすると信頼関係が悪化してしてしまいます。
できるだけ双方に負担がないように落としどころを見つけること、ここがポイントかなと思いますので、私なりの工夫をお伝えしますね。
介護を拒否されたときどうするかの続きです。
①では、拒否があるときはまずはその理由を探りましょうとお話ししました。
繰り返しますが、万人に効く魔法の言葉は存在しません。
一人ひとり違う人である以上、同じ理由で拒否をしていても、同じ言葉で納得させるかどうかとなると別問題です。
認知症のあるなしでも違ってきますしね。
介護の仕事をし始めたときは、あの人にはこれで効き目があったからと、成功体験を無駄に信じてしまうこともあるのですが、まあそれも10年越えて関わった利用者が1000人超えてきたらなくなります。
撃沈に次ぐ撃沈を経験し介護職はスキルアップするのです!
では介護拒否への対応を、二種類に分けて説明していきますね。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
要介護者と介護者 お互いが納得できる介護方法を見つける
拒否があってもできればきちんとお話をして、本人さんにも納得してもらいたいですよね。
介護の仕事を長いことしていると、口がめちゃくちゃうまくなります。
だからこそ、本当の拒否理由を探すのが大切なんです。
プライドが邪魔しておむつを拒否する方に、安いおむつもありますからなんて説得しても仕方ないですよね?
だからこその原因究明。
例えばプライドが高くておむつを拒否する方の場合。
リハパンやパッド類をここではおむつと称しますが、そりゃしない方がいいに決まってるんですが、もうそんなこと言ってられないくらい失禁が多いのに嫌がるケース。
プライドが許さないケース。
この手のタイプで一番効き目があるのはこれ。
「先生(医者)がそうした方がいいって言ってましたよ」
是最強。
もうね、お医者さんでも草津の湯でも、いやこれちがうな、とにかく高齢の方のお医者様にかける信頼度というのは半端じゃありません。
だから、デイサービスとかをプライド問題で拒否される方はもうほんとこれが一番。
実際にお医者さんに勧めてもらうと尚良しです。
おむつなんかも「この方がトイレに急いでいかなくてよくて安全だからって先生がすすめてましたよ」とかね。
「お腹が冷えるからリハビリパンツはどうだって先生が言ってましたよ」とかね。
何でもかんでも医者を使う是最強。←二回目。
本人たちも(認知症でなければ)おむつの必要性はわかっているので、きっかけをうまく作ることが大切かなと思います。
あとは、ごちゃごちゃ説得せずにさらりと布パンツの代わりにリハビリパンツを置いておく方法もあります。
「お父さんおもらし多いんだから、もうおむつはいてよ!」なんて言い方されたら、誰だってちょっと逆らってやろうかってなりますから。
さりげなくそっと交換しておく。
誰も触れない作戦。気が付けばパンツ変わってる作戦。
あと、金銭的問題でおむつを拒否される場合ですね。
この場合は、もし尿漏れ程度であれば前述した失禁パンツで事足りますので、そちらで対応するのが一番コスパがいいですよ。
男性用はこちら。
尿量にもよりますが、いきなり単価の高いリハビリパンツを使用するのではなくて、比較的安価なパッドの使用から始めてみるのも一つの方法です。
意外と皆さんリハビリパンツスタートされるんですけど、なんせお高いのでね。
また、本人の収入や要介護度にもよりますが、市町村で補助が出る場合もありますので、役所やケアマネに相談してみましょう。
デイサービスも、要介護者で選択肢がいくつかある場合は、加算が少なかったり時間を短くすれば介護報酬は安くなりますし、食事代が安いところを探すという方法もあります。
拒否の理由をあまり細かく突き詰めると、本人さんを追い詰めることになりかねません。
だからといって本人さんの言うことばかりを聞いていると介護者の負担が増えることもありますし、うまく折り合いをつけて話をすすめていけるよう、ケアマネや事業所にも協力してもらいましょう。
介護拒否がどうしても強ければこちらが折れる工夫を
説得したって何したって、やなもんなやだってな感じで言うこと聞いてくれない場合もあるでしょう。
いやむしろその方が多いでしょう。
その場合は、こちらが折れて妥協案で対策を練ることが大切です。
どうしてもおむつをしてくれない人の場合、前述した失禁対応パンツをはいてもらうほか、本人のベッドや椅子には防水対策をしておくとか、洗いやすい素材にしておくとかですね。
デイサービス利用の拒否に関しては、本当は一日利用をしてほしいにしても、まずは半日リハビリデイサービスから開始してみる。
高齢者のスポーツジムですよというと抵抗が少ないです。
ヘルパーの拒否なら、まずは配食弁当や宅配サービス等で様子をみる。
ショートステイの拒否なら、夕食まで食べることができるような延長のあるデイを利用する。
拒否されてその言い分を飲んでも介護者も誰も困らないようであればそれはいいのですが、そうではないなら何らかの妥協案を提案して歩み寄ってもらう。
要介護者の方にも協力はしてもらうべきだというのが私の言い分です。
介護者の生活が脅かされるような事態であるなら、拒否があっても少し強引でもこちらの提案を飲んでもらわないといけないと思います。
とにかく結論といたしましては
上手に主治医を活用しましょう。←結局そこ。