高齢者夫婦の老々介護が増えている昨今、要介護者ではなく、普段介護をしている方が倒れたらどうなるか、考えたことはありますか?
昔であれば、子供やお嫁さんが親の介護をするのが当たり前でしたが、今の高齢者の皆さんはそれをよしとせず、できるだけ夫婦で頑張っていこうと思っている方が多いです。
私の利用者さんにも高齢者夫婦のみの世帯がたくさんあり、お一人が要介護・要支援でもう一人が介護をしている家庭、お二人そろって要介護・要支援の家庭とあります。
子どもや子供の配偶者が同居して介護している例はとても少ないです
普段は介護サービスを利用しながら問題なく暮らしておられるのですが、こういった家庭の場合は必ず考えておいてほしいことがあります。
介護をする側の人に「もしも」のことがあった時、どうしますか?
備えあれば憂いなし。
憂いたくなければしっかり備えましょう!
目次(クリックするとその項目に飛びます)
介護者が倒れた時、要介護者の状態によって選択肢は変わる
ひとことで「介護者に何かあった時の対応」といいましても、もちろん個人個人その方法は変わります。
順番に説明していきましょう。
比較的しっかりした要介護者の場合
ここではわかりやすく、夫Aさん(要介護1)を介護しながら二人暮らししている奥様が、急病で倒れて緊急入院したとしましょう。
Aさんはデイサービスを利用しながら生活されていましたが、家事や身の回りのこまごましたことはすべて奥様がしていました。
ただ、Bさんは一人で外出はできませんが、家の中はなんとか自分で移動することができます。
トイレも何とか自分で行くことができますし、認知症もほとんどなく、意思決定も自分で可能です。
こういった方の場合でしたら、生活援助の訪問介護を利用することで在宅生活の継続は可能です。
単純に計算して、一日一時間の生活援助でヘルパーを利用した場合
要介護1の負担限度額の半分程度、8000単位で収まることになります(各種加算によって変わります)
単位が余りますので、回数にもよりますが、デイサービスの継続も可能です。
Aさんの場合は、奥様が緊急入院したことをケアマネに連絡し、そのあとどうするかを決定する判断能力がありました。
この場合はどう難しい話ではありません。
訪問介護を全く初めて利用するにしても、事業所との契約を自分で結ぶことができます。
ちなみに、介護サービスを利用する際には、必ず利用前に契約を結ぶ必要があります。
介護サービスの利用方法はこちら☞「介護サービスの基本 介護保険を利用するにはどうしたらいいの?」
これはケアマネも含め、すべての事業所と行いますので
デイやヘルパーなど、一気に複数の事業所を利用して生活をしようとなった時
うんざりするほど書面に住所や名前を書き、ハンコを押しまくらなくてはいけません。
うんざりはしますけれども、自分で契約ができる利用者さんであれば、状況が落ち着くまでの間介護サービスの調整を行って生活ができるでしょう。
介護サービスを利用しても在宅生活が難しい場合
問題はこちらですよね。
介護者が不在になったとたんに、生活が成り立たなくなる利用者さんの場合です。
Bさんは要介護3で、旦那さんと二人暮らし。家事一切は旦那さんが行っています。
認知症もあるBさんは、食事を目の前に置いてもらえば食べることはできますが、配膳や下膳はできません。
トイレは自分で行くこともできますが失禁も多く、誰かがパッドやおむつ交換をする必要があります。
家の中をうろうろ歩き回ったり、夜中に台所に行って何かを食べようとしたり、常時の見守りが必要な状態です。
普段はデイサービスと訪問介護を組み合わせて生活されています。
さてこのご夫婦、ご主人が急病で入院されることになりました。
遠方に子供さんはいますが、Bさんを引き取ったり、面倒を見ることができる状態ではありません。
デイサービスを利用してもヘルパーを利用しても、家に一人でいる時間はできてしまいます。
認知症のあるBさんをまったくの一人にすることはできません。
さあどうする?どうするケアマネ!!
介護者が不在になるならショートステイ利用を
どうするケアマネって言われたって、て言うたん私ですけど、答えはたくさんあるようで一つです。
ショートステイ入所一択。
介護人が急病もしくはその他の理由で介護ができなくなってしまった場合、ごちゃごちゃと介護サービスを組み合わせて生活を成り立たせるのは非常に大変ですので
とりあえずの入所先を探します。
そんなにすぐショートステイ先が見つかるんですか?てな質問には即答です。
見つけるしかないんです!!
大変じゃないですか?てな質問にも即答します。
大変です!!
でもこれもね、こうなる前にきちんと備えていたら、いざという時大変じゃないんです。
なので、ここでは本当に声を大にしてお伝えしたいことを叫ばせてください。
要介護者を介護している家族さんが倒れることはたくさんあります。
どちらも高齢の夫婦の場合は特にです。
こういったことは何ら珍しくなく、事業所サイドは「介護者が倒れた場合」は常に意識しているのですが!
当事者(介護者)&離れた家族(子供)の「いざという時」の想定してなさったらハンパねえ!
ほんっとうに多いですよ。
「私が母が父が倒れるとかないないない」
「倒れるとしたら要介護者でしょ」
これすっごい多いの。
誰でも、いつ何があるかわかりませんからね。
備えておいて何もなければそれでいいんです。
心の片隅に、もしもの時の対処法だけ覚えておいてください。