介護保険と他保険との併用シリーズです。
今回もタイトル通り。
介護保険の結果を持つことによって、医療保険が使えなくなる場合の話。
そんなことあるんですかあるんです超あるんです。
しかもけっこう取返しつかないことになるんです。
第一弾では、障害サービス等との併用の場合のケアマネ選びについて書きました。
→介護保険と障害者サービスと難病医療保険の併用① ケアマネの選び方編
さぞかし意味わからなかったことと思います。←
自覚ございます
前回の記事に関しては、思いのままに書きましたしわかる人だけわかればいいとおもっていたし、何よりほとんどの人には関係ない記事でしたが。
今回はちがいます!!!
私も同じ轍はふみません、今回の記事は役に立つ。はず。
ただしややこしいのはややこしい。はず。
ややこしいんだけど、これ理解していないと前述したように、けっこう取返しつかないことになるんですよね。
とはいえ一般の方に理解してもらうのもややこしい話なので、同業界の人にこそ理解してほしいかな。
そしてかみ砕いて利用者さんに説明できるようにしてほしいかな。
というお話です。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
介護保険を申請すると医療保険が使えなくなることがある
![](https://fuunokaigo.com/wp-content/uploads/2020/02/da3c6af3dee4f09a20b322577e141a35_s.jpg)
何度もくり返しますが、介護保険は何よりも優先される法律です。
障害の保険と介護保険、同じ内容があれば(例えば訪問介護と居宅介護)(どっちもヘルパーさんが来てくれるサービス)、介護保険の訪問介護しか使えません。
医療保険と介護保険も同様。ここで利用が多いのは訪問看護。
特別な状態、疾病を除き、何らかの介護保険の結果を持っていれば介護保険が優先。
というか介護保険しか使えない。
介護保険ナンバーワン。介護保険しか勝たん。
これほんと頭に入れておいてくださいね。
このように、介護保険も総合支援法も医療保険も法律が違うだけで、同じようなサービスがあるんですけど、一番約束事や決まりごとが多くかつ法的な制約が多い上に話ややこしいのは
だん!とつ!かいご!ほけん!です!!!
death!!!
そこを踏まえて私が制度を熱弁してもピンとこないと思うんで(知ってる)、この仕組みで
なんでやねん!!
となった方の事例をいくつか挙げていきますので、頑張って想像力を働かせて、ピンと来て頂きたい。
介護保険の申請をしたことで医療保険のリハビリを打ち切られるケース
![](https://fuunokaigo.com/wp-content/uploads/2020/01/829dcdbfedab06746ff1acd019453742_s.jpg)
ここで登場するはAさん62歳。
両膝変形性膝関節症で、両膝に人工関節を入れる手術をされました。
ちなみにこの手術、以前は障害者手帳が取れたんだけど、今は高齢者が増えてきたので、予算が回せず対象外になることが多いようです(うちの自治体調べ)
あとぽっちゃりさんは膝いわしがちなんですけど、ぽっちゃりがすぎると手術してもらえないケース多め(個人的見解)(気をつけよう)
手術するほどの両膝の変形性関節症だと特定疾病にあたるので、40歳以上64歳以下でも介護保険申請ができます。
( 両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症 )
Aさんは両膝の手術をしたあと、手術をした病院で医療保険のリハビリを受けていました。
だいたい皆さんこのパターンです。手術したら医療リハ。
しかしながらこの医療のリハビリは、永遠に受けるわけにはいきません。
日数だか回数だかに制限があります。
この書き方でわかってもらえると思いますが、私は専門外なのではっきり知りません。←
わからないことは書かない主義なので、わかる人にちゃんと日数だか回数だかを聞いてください
(ごめんやで)
Aさんの場合お若いので、医療保険のリハビリは3割負担になります。
けっこうお金かかるなと思っていた時、お友達の介護関係職にこう言われたそうです。
「両膝手術してると介護保険申請できるよ。
そしたら介護保険の有効期間の間はデイケアとか通えるし、介護のリハビリも受けられるし、1割負担で済むよ!」
て言われたんですだから申請したんですって言われたときのアテクシの顔
(´-ω-`)←これ
うーん、お友達惜しい。
友情は評価するけど、ちょっとずついろいろちがう。
今負担割合は一律1割でもないし。
まあAさんは1割やったけども。
とにかくAさんは、お友達に勧められて介護保険の申請をしたんですね。
そして要支援1の結果が出ました。
この段階で、Aさんは医療保険のリハビリに週2回通っていました。
その時間と内容と費用に不満があり、介護保険ならもっとたくさんリハビリを受けられる、もっとガンガン厳しくリハビリしてくれる、そう思って申請したわけです。
そして、医療リハに通っている病院に要支援1が出たことを告げると
「介護保険の結果が出たんだったら、医療のリハビリは〇月(この方はの場合は手術して5カ月後)に打ち切ります。
介護保険の申請をしていなかったら延長できたんですけどね」
と言われたのでした。
ここでいう延長がいつまでを予定していたのかは知りません。←
まあ介護保険でリハビリしてもらうしいいか。
Aさんはそう思い、紆余曲折を経て私のところに相談に来られます。
これこれこういうわけなので、介護保険のデイケアに行きたいんです。
医療のリハビリは時間も短くて物足りなかったし、介護保険でがっつりリハビリしてほしいなって
(´-ω-`)←
うーんこりゃ困ったな。
それが私の本音でした。
どうにかしてあげたいけど、若いし意欲的だし希望を叶えてあげたいけど、多分そうならない気しかしない。
そして、介護保険を申請して結果が出てしまったことがめんどくさい方向に向く気しかしない。
その理由がお次。
介護保険のリハビリを使うと医療保険のリハビリには戻れない
はーーいこれまじでテスト出ますようーーー!!
ケアマネのテスト出ますようーーーー!!
知らんけど!!!!
テスト出てるか知らんけど、絶対に出しといてくれ案件。
知らずにケアマネなったらどえらいミスしちゃうかも案件。
むしろ小学校くらいで学んで、日本中周知の事実にしといてほしい。
それくらいよくある困りごとなのです。
Aさんの希望はこちら。
きちんとしたリハビリ職(理学療法士(PT)を希望)のいるデイサービスで、今の医療リハよりも長い時間しっかりリハビリしてもらって、リハビリだけしたら帰りたい
ようするに今のリハビリよりもきっちりと長い時間リハしてほしいし、それは専門職でないとイヤだし、お風呂も入浴もレクもいらないので、やることやったら帰りたいと。
即答しました
介護保険のデイケアはあくまでも高齢者向けなので、そんながつがつリハビリしません。
デイケアで要支援者に個別でPTがリハビリをするところは少ないし、あっても今と時間は変わりません。
そして、要支援1なので基本的にはデイケアは週に一回しか行けないです
そして大事なこと。
介護保険のリハビリサービス(デイケア、訪問のリハビリ)を一回でも利用してしまったら、もう医療保険のリハビリは使えないですよと。
これリハビリだけじゃないんですけどね、看護サービスも同様。
何回も言いますね、介護保険は他法よりなにより優先するサービスです。
マジもうええわくらい言うてますけど、まだまだ言います、それくらい大事なんです。
夢でうなされるまで繰り返します。
つまり、Aさんはたくさんリハビリがしたいので、週に二回医療でリハビリをして、介護保険のデイケアにも通うかなと思ってたそうなんですけど、それはもちろん無理で。
かつ、デイケアを利用してみて
なんか違うわなあ
医療のリハビリの方がよかったわなあ
と思っても、それはもう戻れない。
原則介護保険のリハビリを使ってしまったら、もう医療リハには戻れないのです。
たまにそういうの関係ない医院とかクリニックは戻れるけどゲフンゲフン
ちなみにAさんのパターンとは違いますが、医療のリハビリを通っている病院で介護保険の申請を勧められ、なんかわからんけど申請して結果が出たら医療リハ切られて系列のデイケアに回されるパティーンもなくなくなくはないですあります。←
そしてどちらも1割負担の場合、医療のリハより介護保険のデイケアの方が費用は高くつきます。当然単価も高いです。
これ以上は言いません(全部言うたがな)。
で、ここではリハビリをする場としてデイケアデイケア言うてますけど、今はデイサービスでも半日リハビリデイのように、しっかり運動できるところがあります。
デイケアは通所リハビリなので医療系の介護保険サービス。
デイサービスは通所介護なので介護系の介護保険サービス。
おんなじちゃうんかいと思われがちですが、法的にはちがいます。
内容がむちゃくちゃちがうかについては言及しません。
とにかく、デイケアは医療系なので医療保険のリハビリとの併用は無理なんだけど、デイサービスは医療系じゃないから、医療のリハビリとの併用は可能なんです。
リハビリデイサービスはデイケアじゃないから、医療リハ使ってても通える。
意味わからんと思いますけど、そういうことなんです。
何言うてるかわからんかもしれないですけど、ここ大事なので何となくわかってほしい(願い事)
そういうことなんで、もちろんAさんにはリハビリデイの利用を勧めたんですけど、
PTさんがいないとこはいや
おおう
リハビリデイでPTさんがいるところはあんまりないんですよね。
少なくともうちの地域にはほとんどない。
しかもそのPTさんがいるリハビリデイは、要支援の人はとってなくてですね。
じゃあ一度介護保険のデイケアの体験利用行ってみますかってなったんだけど。
全然物足らんかったわ
おおう
おおう。
やはり介護保険のデイケアは物足らなかったようです。
一応、一般的な一日行くデイケアじゃなくて、リハビリに特化した短時間デイケア(っていうのがあるんですよ数少ないけど)に行ってもらったけど、思ってたほどじゃなかったらしい。
しかも前述したように、要支援1だと週一回しか利用できないですしね。
→「介護保険の要支援の仕組みは複雑! 要支援のケアマネ、訪問介護、デイ」
とにかくしっかりと時間をかけてリハビリをしてほしいなら、訪問のリハビリが一番いいという説明もしたんですけど。
要支援1だと40分の訪問のリハビリがだいたい月に8回くらい受けられます
おうちでご主人が自営業されてるので、あまり人を呼べないらしくですね。
やはり通いのリハビリがいいと。
というわけで、結局Aさんは、医療のリハビリの期間が切れるまではそちらに通い、期限切れの前に主治医に
もう少し医療のリハビリさせてもらえないですか?
と聞いてみるということで落ち着きました。
それがダメなら介護保険のデイケアに通うかもしれませんが、それも物足りないし。
どうすんねやろ。←
でも、気が済むまで医療の方でどうにかしてもらってほしいと思います。せっかくリハビリに意欲的だし、まだお若い人なので。
あと、似て非なる事例なんですけども、介護保険を申請して困った別のケースもちょっと。
とある80代の男性がとある手術をして、退院後手術の処置を含めて、週に三回ほど、訪問看護に入浴介助に来てもらう話が出ていました。
この時男性は介護保険を申請していなかったので、医療保険での訪問看護の利用です。
医療保険の訪問看護は(介護保険もだけど)、医師の指示のもと行われるので、回数等は医師が決めます。必要回数利用できるわけです。
基本的には65歳以上だと介護保険を申請して使ってね、とはなるんですが、特に他に何も介護が必要な状態でもなかったので、退院後介護保険を申請せず、そのまま医療保険で使いましょう。
てなってたのに、ようわかってないソーシャルワーカーさんがどうやら介護保険の申請をしてしまい、ようわからんまま先生も主治医意見書も書いてしまい、ようわからんまま本人も認定調査を受けて、ようわからんまま要支援1の結果が出ました。
そしてようわからんまま訪問看護は週に1回2回しか利用できなくなり(限度額の関係で)、ようわからんから利用者さんが怒りだし、ようわかってる訪問看護の管理者さんが倍返しでソーシャルワーカーさんにキレてる事例。
に、巻き込まれたことがある。←
思い出しためっちゃみんな怒っててつらかった
ま、ようはこういうことになっちゃうんですよ(まとめ雑)。
だらだら書きましたけど、わりと医療リハを受けているのに介護保険申請してしまって医療を切られる人が多いのと、この男性のようなケースもあるので、まずはお近くのケアマネに
・介護保険を申請するメリットデメリット
を聞いてみてほしいですね。申請はそこからでも遅くない。
特に要支援だと全然サービスが自由に選べなかったりしますから。
以上、とてもとてもややこしい「医療保険と介護保険サービスの併用」の話でした。
おつかれっした!!!
このシリーズはまだまだ続きます。頑張ってね!