特別養護老人ホームが原則要介護3以上でしか入所できなくなってから、終の棲家として有料老人ホームを選ぶ方が増えています。
そんな有料老人ホームのことについて、詳しく解説していきますね。
有料老人ホームは入居金がお高くて、入居者はおセレブで、お部屋はおゴージャズで、おフランス料理が出て、庶民が利用するもんじゃない、そう思っていませんか?
当たり前ですが、実際はみんながみんなそうでもないです。
もちろん入居金何千万のハイクラスの有料老人ホームもあるにはありますが(仕事でたまに行くけど入居者の皆様のセレブ感まぶしすぎ)、そうじゃないところもたくさんあります。
有料老人ホームでも入居金がないところもありますし
良心的な料金設定の施設では、特別養護老人ホームと料金が変わらなかったりします。
ただ、今回有料老人ホームについて知っていただきたいのはそんなことではなくて
その種類がそもそも二種類に分かれているんだよってことなんです。
これをね、利用者さんに説明すると、まあまあ混乱されますから、ちょっと頭に入れておいていただければなと思います。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
特定施設の介護付き有料老人ホーム
特定施設って聞きなれない言葉だと思いますが、皆様がイメージしている有料老人ホームは、「介護付き有料老人ホーム」であることが多いです。
公的施設である特別養護老人ホームの、民間バージョンといった感じでしょうか。
この手の施設の特徴は、介護報酬が月額固定の包括であること。
要介護度が重くなるほど介護報酬の額は高くなります。
施設に入居して、食事や排せつ、入浴などの介助を受け、生活する。
この介助の料金はすべて介護報酬に含まれているわけです。
ですから、同じ要介護3の方が二人として、一人は食事や排せつ、入浴すべてに介助が必要としますよね。
そのたび職員は介助の手間がかかります。
もう一人はADL(日常生活動作・食事やトイレなどのこと)はわりと自立しているけれども、認知症がある方。
精神面でのフォローが必要でも、介助の手間はほとんどありません。
このお二方は介護報酬が同じです。
介助の回数で料金が変わることはありません。
体調が悪くなって、一時的に介助の量が増えても臨機応変に対応することができますし、ある程度の体の状態になっても入居を続けられるところがほとんどです。
介護保険を使うわけですので、施設ケアマネがケアプランを立てるのですが、介護報酬は決まっているし他の事業所を使うわけではないので、日常の生活をどう送るかをメインに計画を作成します。
ケアマネの仕事としてはむっちゃくちゃ楽です。
その代わり他の仕事でがっつり使われます。
これが介護付き有料老人ホームのお話。
だいたい有料老人ホームの相談を受ける場合、皆さんがイメージしているのはこれですね。
ところが、この手の施設の新設は最近めっきり減っていて、主流は次のタイプになっています。
在宅扱いの有料老人ホーム サービス付き高齢者住宅と住宅型有料老人ホーム
「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」「住宅型有料老人ホーム」という名称を聞いたことはありますか?
この二つは似て非なるもので似てるもの。
実は私、この施設の違いがわからず、何回かサ高住や住宅型の営業さんに聞いたことがあるんですね「何が違うんですか」って。
今んとこ誰一人即答してないですね。
ま、同じやと思っていいのではないでしょうか。
ちなみにですが、この二つの施設は今じゃんじゃかできてますので、むっちゃくちゃ営業さんが来ます。
では、介護付き有料老人ホームと何が違うのかと言いますと、この二つの施設って、在宅扱いの施設なんですね。
ようするに、環境の整った施設に移り住んでというか引っ越して、そこで在宅のケアマネが在宅のケアプランを作成して生活するんです。
だから、施設ごとにどこまでをサービスとするかは違いがあるけれども、基本的に身の回りの介護や支援に関しては、訪問介護を利用して行います。
だいたい施設に併設している訪問介護事業所を利用することがほとんどですね。
ケアマネも施設が決めている事業所が行うことが多いです。
同じ屋根の下にあるポイント事業所だと減算が効くので
普通に在宅でヘルパーさんを利用するよりも単位が安くなります
その分たくさん利用できますよ
たまに外部のケアマネを利用しているところもあり、私もサ高住に住む人を担当していますが、まずは訪問介護ありきでケアプランは進みます。
掃除や洗濯、買い物なんかもヘルパー支援という形になるし、身体介護の必要な人であれば、おはようからおやすみまで介助が必要だったりしますから。
で、単位が余ればデイに行ってみたり。
…。
どうですかこの施設。
まあ簡単に言っちゃうと
施設に入居している利用者さんを同じ系列の訪問介護事業所で抱えて目いっぱいサービス利用してもうけを得ることを目的としているというか
うーん、オブラートに包むはずが包めてなくてちょっとどうしようなんですけど、そういう施設なんです。
あ、でも最近はそうじゃない施設もある。
全然自由にサービス利用していいところ増えてる。
逆にびっくりした←
この抱え込みは介護保険上でも問題になっていて、対策として同一建物減算とか生活援助が多すぎるサービスの制限とかいろいろ法律変えられて違う変わって、まあいろいろあるんですけど、もちろんこの手の施設のメリットもあるわけです。
今はそんなに支援が必要なくて、身の回りのことは自分でできるけど、一人暮らしは不安、という方であれば、そんなに介護サービスが必要ではないので、費用は抑えられます。
あと、デイサービスや訪問看護なんかの外部サービスを利用したい人に、この手の有料老人ホームを勧めることが多いですね。
生活の自由度は断然こちらの方が高いです。
前述しましたが、今新しくできている施設はほとんどが後者です。
入所者数に限らず人員配置が細かく決められていて、人件費のかかる介護付き有料老人ホームより、必要なサービスを行ったヘルパーにだけ賃金を払う後者のやり方の方が、無駄がなくて効率的だからでしょう。
頭いいなと思いますもん。
ただ、後者の場合は介護度が重くなりすぎると退所を勧められるところもありますし、パンフレットの費用が安くみえても、介護サービス費を足すとそこそこの値段になることが多いです。
この手の民間施設に関しては、各施設料金設定や売りにしているポイントが本当に千差万別で、私たちケアマネがすべて把握するのはとても不可能です。
有料老人ホームを探すなら、それに特化した専門のサイトを通して探す方法が主流になっており、私たちケアマネもこの手のサイトを利用者さんに紹介しています。
施設探しの際にはぜひご活用ください。資料請求だけでもできますよ。
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