それは、世界中のケアマネが一番嫌いなワード。
「いやーーーーー!!!」
制度としては成り立っているんだけど、なかなかどうしてドキドキモンキーなこの暫定ケアプラン。
少しわかりにくいかもしれないですが、介護保険の仕組みとしては、わりと親切な仕組みだと思っています。
でもトラップはいっぱいある。
そんな「暫定ケアプラン」のお話です。
「暫定ケアプラン」に関しては
『みんなの介護』にも記事を書かせていただいてます☆
施設探しはもちろん、介護のお役立ち情報がたくさんわかりやすく掲載されているサイトです☆
ぜひご一読を☆
目次(クリックするとその項目に飛びます)
そもそも暫定ケアプランとは何か
この記事の後半に少し書いていますが
介護保険は「認定調査をしてくださいね」と役所に申請を出した日から利用できます。
うーーーんと。この言い方じゃあれだな。
例えば1月1日に役所に申請だすでしょほんとは正月は役所休みやけどそれおいといて。
でね、1月15日に認定調査するでしょ。
その結果が要介護2で、それを印字した介護保険証が2月の頭に届くとするでしょ。
じゃあAさんは、1月1日から要介護2なんです。
この場合だと申請してから結果が出るまでに1ヶ月かかっていますが、急に介護が必要になって申請出した時って、1ヶ月待てないですよね。
だから
要介護2が出るだろうって予想して、1月1日からその限度額内でのケアプランを作成して介護保険を利用する。
これが新規申請の場合の暫定ケアプランです。
もしくは、これも暫定ケアプラン利用のケースで多いんですが、介護保険の更新でまいっちんぐな結果がきてしまって、もう一度調査してくださいって区分変更申請した場合。
例えば、Bさんの2月末までの期限の介護保険は要介護3でした。
その次の3月からの要介護結果が、2月の半ばに届きました、その結果が要介護1でした。
(更新の場合、基本的には前の有効期間が切れる前に次の結果が届きます)
でも、Bさんが生活を送るためにはどうしても要介護3が必要ですと。
要介護3を限度額いっぱい使わないと、生活できないんですと。
そして本人さんもケアマネも、今回の認定調査がうまくいかなかっただけで、本当はBさんの要介護度は要介護3が妥当であると判断したと。
そしたら、3月1日付けで区分変更をして、もう一度要介護3が出ないか調査に来てもらいましょうと。
その次の結果が出るまでの間、3月1日からも、要介護3が出ると予想して、2月末までと同じケアプランで生活しましょうと。
これが区分変更の際の暫定ケアプランですと。
「いやーーーーー!!!」
書いてて震える~!!
もうほんまBさんみたいになったら困るから、ほんと皆さん他は読まなくていい、認定調査の記事だけは読んでね!!
つまり、介護保険の暫定ケアプランとは
何が出るかわからない結果を予想して、博打を打ってサービス利用を開始する制度なんです。
これがどれほど危ない橋かはお次で説明しまっす。
暫定ケアプランを利用していて、思わぬ結果が出たら
根本的なお話をするわけですが、介護保険には区分支給限度額というのがあります。
☞区分支給限度額(厚労省の通達に飛びます)
要支援1~要介護5まで、支給される単位はちがいます。
介護保険のサービスはすべて単位で計算するんですが、基本的にはこの限度額の中でやりくりするようにします。
限度額を超えた分は介護保険が効かず、実費になるからです。
ということはですよ。
Bさんの場合、2月末までは要介護3だったので、 27048単位
そして3月1日からの要介護1は、 16765単位
これが支給限度額です。(2020年3月現在)
要介護3の限度額いっぱいのサービスを使っていたBさんは、今まで通りのサービスじゃないと生活ができません。
でも今まで通りのサービスを利用するには、約10000単位が足りません。
だから
きっと認定調査員が悪かったんだ!!
もっとちゃんと調査してもらえば、きっと要介護3が出るはずなんだ!!
要介護3が出るはずだから、今まで通りのサービス継続だ!!
と決めてですね
暫定ケアプランで、要介護3時代と同じサービスを利用するとする。
3月1日に区分変更申請を出して(ちなみにですがこの場合、たとえ2月の段階で区分変更をすると決めていても、3月1日以降しか申請できません。
2月の末までは要介護3が生きてるからね)
3月15日に認定調査が来て
4月の頭に区分変更の結果が来て
結果それが要介護2だったとして
要介護2の支給限度額は 19705単位 として
Bさんは3月1日以降は要介護2なんだけど、要介護3の限度額いっぱいのサービスを使ってしまったとして
引くことの!!
7000単位分がオーバーしてるとしての!!
×10が実費でチーーーン!!
「いやーーーーー!!!」
実に7万円が実費での清算になるんです。
そりゃ払えたらいいんですけどね…。
なかなか無理でしょ。
だから、多少の無理をしてでも区分変更の結果が来るまでは、要介護1の枠内でのケアプランで過ごしてもらう場合が多いですけどね。
そうもいかん人も少なくなくないんじゃい!!
一応こういう時は、介護保険外でできることは、できるだけそちらのサービスを利用します。
ヘルパーでの調理のサービスを配食弁当に変えるとかとか
買い物は生協なんかを利用してもらうとか
だから私はあんなに長いロード10章までかけて認定調査の説明をしたんです。
その他にも、
例えば要介護の人が要支援になって区分変更する場合とか
新規申請の暫定ケアプランでは住宅改修なんかはいったん実費で払うとか
それこそ要介護2以上でベッド借りてたけど要支援になりましたさあどうするとかね。
暫定ケアプランで気を付けることはしこたまあるんです。
「じゃあね!!」