今回はちょっと前に、Twitterの介護職界隈を騒がしていたテーマについて、介護業界22年居宅ケアマネ歴12年の主任ケアマネが、言いたいことを言いたいと思います。
この業界にあまり関係のない方にはピンと来ないかもですが、そもそものことの発端である財務省分科会の資料がこちら
財務省
簡単にいうと、お金ないから介護保険をどんどん締め付けて行こうぜという話。
ここに書かれていることについて、うちのケアマネがよく話していて、他の事業所さんも話題に出していたので、
またなんか厚労省が言うとんやな
思ってスルーしてたんですけど(忙しかったんや)
言うてんの財務省でしたわ!!!!!
なんでそんなこと財務省に言われなあかんねん思って資料を熟読したらほんと現場を知らんもんが机上の空論といいますか介護してる妻の様子たまに遠くから見てたらそんななんか大変そうでもないなって思って家計簿見たら介護にめっちゃお金使ってるやん何無駄使いしとんねんというてこんなお金使われたら困るわ節約せえよと家計を握っている夫が言うような内容だったので(ここまで早口の悪口)
言いたいことまとめました。
介護業界で働いている人はほんと他人事ではないので、このブログ読まなくってもいいから、財務省の記事は読んできたほうがいいです。
あと、実はこの資料は医療や子育て、障がいの方も勝手なこと言うてるので←
とりあえずみんな見たほうが良い。と思う。
タイトルは財務省の資料の見出しを引っ張ってます。
気になるとこ、というか腹立つことだけピックアップしました。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
ケアマネジメントに関する利用者負担の導入等
これ資料の抜きだした部分なんですけど、スマホではとても読めないので、気になるとこ抜粋して突っ込んでいきますね。
今回のテーマは、ほんと10年は言われている「ケアマネジメント」利用者負担問題。
今現在、皆さんは基本的に、ケアマネに支払いはありません。
介護保険で10割給付になっているケアマネジメント料を、他のサービスと同じように利用者負担もらえって話です。これはずーーと言われてます。
以下灰色部分は抜粋です。
介護保険制度創設から20年を超え、サービス利用が定着し、他のサービスでは利用者負担があることも踏まえれば、利用者負担を 導入することは当然
当然てなんやねん。
そもそも他のサービスとケアマネのサービス、根本が違うやろ。
そもそも、制度創設時、ケアプラン作成は「高齢者の自立を支援し、適切なサービスを確保するため、…そのニーズを適切に把握したうえで、ケア プランを作成し、実際のサービス利用につなぐもの」とされていたが、その趣旨にそぐわない実情も⾒られる。
はい一番腹立つとこ。
ようするに、今のケアマネの作るケアプランは私利私欲にまみれてんでしょというとる。
このあとも、同一法人のサービス使いたくなくても儲けたいからプランに入れ込んでんでしょ、何かサービス利用しなかったらプラン料もらえないから、別に必要ない福祉用具レンタルとかさせてんでしょと続きます。
だから今支払いのないマネジメント料、自己負担が発生することで利用者がケアプランに関心を持って(あほらしすぎて太字で強調)、必要のないサービスを拒否するようになるからって
そのこじつけなんやねん
私はケアマネなんで、今回の資料で一番腹立ったんここですけども。
同一法人儲けさせるためにケアプラン作ったり、自分がお金欲しいから必要ない福祉用具レンタルさせてるんやからって言い草はマジ許せんけどしかもなんで財務省に言われなあかんねん
その理屈で自己負担払えは流れ無理やりやろ。
ぼったくりバーでももうちょっとうまい口実作るやろ。
ただ、これで自己負担発生しても、別に私たちは困らないです。
お金発生することで無茶言うてきたり、そんなん払えないという人にはじゃんじゃん自分で作るセルフケアプランを勧めます。
自分で好きなようにケアプラン作ってもらえばいいんです。
そしたらお金払わなくていいですよって言います。
それはマジで終わりの始まり。
役所はパンクするでしょうし、給付管理をするケアマネがいなくなるしケアプラン好きに作れるしで、介護保険無視し放題です。
チェック機能がなくなりますから。
好きなようにプラン作れたら、よけい介護保険の利用は増えるでしょうけどね。
知らん知らん。
私もしケアマネジメントに利用者負担ができたら
「お金もったいなかったら自分でケアプラン作れますよ☆」
てあおると思うし絶対あおる
区分支給限度額のあり方の見直し
これは仕方ないかもしれない(ちょっと認める)。
制度創設時に企図したように、設定された限度額の範囲内で給付を受けることを徹底すべきであり、居宅における生活の継続の支援を 目的とした加算をはじめ、第9期介護保険事業計画期間に向けて加算の区分支給限度額の例外措置を見直すべきである。
わかりやすくいいますと、介護保険は要介護度に応じて区分支給限度額っていうのが決められていて
区分支給限度額(介護保険から給付される一か月あたりの上限額) 目黒区 (city.meguro.tokyo.jp)
目黒区
この限度額内に収めると、介護保険の負担割合分の自己負担で済むので、基本はこの限度額内でケアプランを作成。
これを越える分は全額負担、つまり10割負担ってなるんですけども。
前提として、介護保険のサービスって、加算が付くこと多いんですよね。
加算をくわしく説明したらキリないけど、本体価格とオプションやと思ってくれたらよくて(よくないかもしれない)
・本体価格はもちろん支給限度額内に入り込むんだけど、加算は限度額内に入るものと、入らないものがある
んです。ややこしいこと言うてるね知ってる。
わかる人だけついてきて。
こういうのんですね。
有名どころでは処遇改善加算とサービス提供体制加算があるんだけど、それは入ってないな。
その辺は限度額外のままでいくんでしょうか、なんでやろ。
とにかく今まで限度額外にしていた加算を中に入れ込みなさいよって、意味わからないかもしれないですけど、ようは今限度額ギリギリでプラン立ててる人は、限度額オーバーになります。
その分他のサービスけずるか、オーバー分自費で払うかになりますから、とても困ります。
…。
でも困らない人は困らないですわ、うん。
(施設系が困るかもやけど)
居宅だと限度額ギリギリの人の方が少ない
軽度者への地域支援事業への移行等
○ 要介護1・2への訪問介護・通所介護についても、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わ せた多様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすることが効果的・効率的である。
○ 先に述べた地域支援事業のあり方の⾒直しに取り組みつつ、第9期介護保険事業計画期間に向けて、要介護1・2への訪問介護・通所 介護についても地域支援事業への移行を検討し、生活援助型サービスをはじめとして、全国一律の基準ではなく地域の実情に合わせた多 様な人材・多様な資源を活用したサービス提供を可能にすべきである。
はいこれーーーー。
今回みんなが一番ぶちぎれてんのんこれーーー。
なんで財務省に言われなあかんねんいうのんこれーーーー。
財源の数字ばっかり見てんとヤングケアラーとか介護虐待事件とか介護離職の数字も見ろやボケいうのんこれーーーー。
要支援の訪問サービス(ヘルパー)、通所サービス(デイサービス)については、世間の皆さんがよくわかっていない間に、総合支援事業(地域支援事業)に移行しています。
訪問介護ではなく訪問サービス。
通所介護ではなく通所サービス、です。
つまり要支援者(一部の条件を満たしている場合を除く)のヘルパーやデイには、介護は必要ないというのが総合支援事業の考え方。
それ以外に「地域包括ケアシステム」たらなんたらいうて、みんな地域で連携して生きていこうねってきれいなことも言うてますけど、実際のところはそういうこと。
専門的な介護はいらないでしょ、要支援にはと。
これが要介護1要介護2まで「専門的な介護はいらないでしょ」族に入れられるやろ、というておられる。
なお私の別ブログで出てくるマダーームさんたちは
だいたい要介護1要介護2です。
動ける認知症ならだいたいこんなもんです
その理由というのがこれですね。
生活援助の利用が多すぎるんやって。
そんなん介護の知識なんかなくていいやんかやって。
誰でもできるやろって。
たんなる掃除や洗濯、買い物だけしてるんじゃなくて、専門的な知識のもとで要介護状態の利用者さんの様子を確認し、日々の生活が良くなるように連携を図って支援している。
そんなヘルパーさんやケアマネに対する、冒とくオブ冒とくだと思います。
デイサービスもうちの自治体の総合支援事業(要支援)は、社会的交流や楽しみ、友達作り等で利用することは許されていません。許されなくなりました。
あくまでも「リハビリして元気になるなら行ってもよい」です。
全くもって本来のデイサービスの趣旨とはちがいます。
高齢になって出かける機会が減っても
楽しく人生を送ることでこれ以上悪くならないようにする
そのためのデイサービスやろ
その意図しんだんか
だから私たち業界人からすると、
「要介護1要介護2なんて介護や支援がめちゃくちゃいるのに、そこに専門的知識はいらんというのは許せん」
とオコなんですが。
実際に困るのは私たちではなく、利用者さん、家族さんたちです。
実際問題、総合支援事業に移行すると、値段(単位)は下がると思いますが、受け入れ先が激減します。
値段が下がる=儲けが出ませんから。
事業所が総合支援事業のサービスから撤退します。し、実際してます。
今でも要支援のサービスの受け入れ先を探すのは大変ですし、そもそも要支援のケアマネを見つけるのも大変。
結果として、受けたいサービスを受けられず、要支援要介護者が宙に浮くことが一番の狙いなんかなとすら思います。
だって介護保険利用がないと財源減らないもん。
ほんと勉強だけできるバカが、電卓はじいて勝手なデータ作って勝手言うてんな思いますわ。
これマジで実現したら、訪問介護事業所とデイサービスも閉鎖が出るでしょうし、介護離職と事件めちゃくちゃ増えるでしょうね。
受け入れ先のない利用者を抱える居宅のケアマネも大変そう(他人事ちゃうがな)。
軽度者に対する居宅療養管理指導サービス等への給付の適正化
これちょっとわかりにくいかな(今までもわかりにくいわ)。
介護保険で「居宅療養管理指導」っていうサービスがあるんですけど、これ何かというと
【指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について】 6 居宅療養管理指導費
⑴ 通院が困難な利用者について
居宅療養管理指導費は、在宅の利用者であって通院が困難なものに対し て、定期的に訪問して指導等を行った場合の評価であり、継続的な指導 等の必要のないものや通院が可能なものに対して安易に算定してはなら ない。例えば、少なくとも独歩で家族・介助者等の助けを借りずに通院 ができるものなどは、通院は容易であると考えられるため、居宅療養管 理指導費は算定できない(やむを得ない事情がある場合を除く。)。
読めた?読んだ?読んでない?
読んでなくていい。
とにかく原則として「通院が困難な利用者に」医師や薬剤師、歯科医師等が訪問して、指導等行うとされているもので。
指導っていうけど、だいたい医師は診察して薬の処方するし(イメージとしては往診)、歯科医師は歯の治療するし、薬剤師はお薬の配達やセット、残薬確認をするのです。
通院ってほんと行けなくなると在宅詰んじゃうので、この制度はとてもありがたいし、利用者が増えているのは事実です。
ていうかコロナで地域医療とか在宅医療推進してたし、看取りの観点から訪問診療増やしていこうってなってるやん。
でもそれは厚労省さんの言い分。
では財務省さんの言い分を抜き出してみましょう。
居宅療養管理指導については、薬局の薬剤師による軽度者へのサービス費用が大きく増加しているが、「必要以上に居宅療養 管理指導を利用するプランを作成した」ケアマネジャーが一定数いることが確認されており、「少なくとも独歩で家族・介助者等の助け を借りずに通院ができる者などは、居宅療養管理指導費は算定できない」と算定要件が明確化されたことも踏まえ
薬局の居宅療養管理指導が増えすぎやろ
それ必要ないのにケアマネがプランに入れてるからやろ
歩ける利用者とかに居宅療養使ったらあかんやろ
てことらしいです。アホか。
なおここで薬局だけが叩かれているのは、医師会が強いからだと思います。←
あとついでにいうなら、薬局の方には
在宅をもっと増やしなさい!!
という指導が来ているので(確か在宅してないと減算か加算もらえないかなはず)、厚労省と足並みがちがいすぎて笑う。
居住系施設(住宅型有料老人ホームとかサービス付き高齢者住宅)に入居すると、この居宅療養管理指導は絶対ついてくるので、また居宅施設つぶしの意見かなとも思いますけど。
まあでも居宅療養管理指導はケアマネの知らんうちに始まってることもあるので(あかんよ)(ほんまはあかんのよ)、私らのプランのせいにしないでほしい。
まとめ
わかる人しかわからない話をいっぱい書きましたけど、もう一度貼っとくのでこれ興味ある方読んどいたほうがいいです。
どっちかいうたら前半の
「 1.新型コロナ感染症への対応 2.総論 3.医療 」
の部分を読んだほうがいい。←
財務省
ようするに、コロナでお金使いすぎたんやと思う。そらそうやろ。
ただ、ここで財務省が(好き放題)言うてることは、何年も前から言われてきたことも多いので、このどさくさに紛れて実行するかもしれないとは思います。
そもそも消費税って医療介護費にあてるんじゃなかったっけ。
財源どこ行ったん
介護保険サービスを締め付けたりなくしたりすることは簡単ですけど、そのあと世の中とんでもないことになるんじゃないかな。
家族介護なくすために始まった介護保険だったはずなのに。
私らケアマネの研修も
財源ないぞ!!
サービスけずれよ!!
リハビリして介護保険卒業させろよ!!
ばっかりになってますしね。ケアマネはみんな言うこと聞かんけど。
この国は何がしたいんかなって思いつつ、この記事を書きました。
意味わからんかもしれないですけど、介護保険の動向を今後も気にしてもらえたらと思います。
ではーーー!!