介護施設

老人ホームに入所を断られるタイプはどんな人? 医療行為や認知症

超高齢化社会の現在、高齢者の介護施設の数は、民間も含めどんどん増えています。
そして、施設入所を希望する人も増えています。

 

一昔前の施設のイメージは「親を捨てる」という、下手したら姥捨て山扱いでしたけども、今はわりと皆さん施設入所に抵抗がなくなっていて

マダム
マダム
元気なうちに終の棲家を探しとこうかしら

と、本人が施設を探して入所することも増えてきました。
これ昔じゃ考えられない。

在宅のケアマネですけど施設賛成派の私からすると、とても良い流れだと思います。

 

が。

 

誰でも彼でも、入りたいからといって、すんなり施設に入れるわけではないのです。

 

どんなに入所したくても、施設サイドが

ちょっとこのタイプの人は受けいれ無理です

言われることももちろんありますていうかわりとあります。

それで困ること多々あります。

 

今回のテーマは、「施設入所を嫌がられがちな人」

嫌がられるという言い方はよろしくないのですが、それがダメなら「拒否されがち」「しぶられがち」「入所先を探すのに苦労しがち」あたりでお願いします。

ふう
ふう
あんまりかわらんやろ

 

嫌がられがちとはいえ、どんな方でも、あの手この手で探せばいつかは入所できることがほとんどなんですけども。

一般的な方の入所よりも時間がかかることが多いので、この記事に該当する方は少し気にしておいて、入所希望の際は早めに動くと、焦らなくていいかなあと思いますので、参考になさってください。

 

老人ホームに施設入所しにくい医療行為

施設には、看護師が常勤で働いているところ、決まった曜日の決まった時間しか働いていないところ、24時間常在のところがあります。

全くいないところもある。

ふう
ふう
私が昔働いていたグループホームはそうでした

 

公的な介護施設だと、特別養護老人ホームは、日勤帯だけ看護師がいることが多いです。
老人保健施設は、基本的には24時間看護師は勤務しています。

 

民間の有料老人ホームは、施設によって千差万別。
医療に特化しているところもたくさんあります。

 

民間の有料老人ホームは本当にいろいろと個性があるので、専門業者にお願いすることを強くお勧めしてます。
(ケアマネに聞かれてもわからんので、紹介会社を紹介するのみです←)

高齢者は医療行為が必要な方が少なくないのですが、そういう方が施設に入所しようと思うと、やはり看護師の勤務時間は気になるところ。

全く医療行為のない方も、いつ何があるかわからないですし、看護師がいれば安心感は大きいですよね。

ふう
ふう
施設の看護師さんはほんと頼りになるのです

 

自宅では家族が医師の指示のもと行っていた医療処置も、いざ施設入所となると看護師しかできませんと言われることがほとんど。

 

看護師がいないと入所を断られがちな医療処置はこちら

・胃ろう
・たん吸引
・インシュリン
・気管切開

看護師がいなくてもなんとかなることもある(ならないこともある)のはこちら

・ストマ
・尿カテーテル留置
・酸素療法

相当な交渉や、医療に特化していないと断られがちなのはこちら

・呼吸器(バイパップ等含む)
・人工透析
・常時の点滴

ガン末期等のターミナルケアは、意外と受け入れしてくれるところは多いです。
最近は特別養護老人ホームでの看取りも増えています。

 

ALS等の進行性難病は、受け入れ先を見つけるのはなかなか難しいですが、こちらも探せば入れる施設はあるので、とにかく紹介会社さんに相談することをおすすめします。

 

老人ホームの入所を断られがちな問題行動

とはいえ医療行為に関しては、比較的相談を持ちかけやすい部分はあるんですが、本当に困るのはこっち。

認知症や、それ以外の要因による問題行動。

ふう
ふう
今は問題行動という言い方はよろしくなくて、「周辺症状(BPSD)」と呼ぶことが多いんですが、ここではわかりやすく問題行動と記しています

 

認知症が進行して、在宅で介護をするのが難しくなって施設入所を検討される方はとても多いのですが、その症状によっては入所を断られることがあります。

 

こちらは特養で働く人のおおむねの仕事の流れなんですけど

ふう
ふう
特養で働こうとする人向けに書いたやつです

まあとにかく忙しいんですよ。

 

忙しいというのは先方の勝手な事情なので、忙しいから十分な対応できませんとかいうのはちがうんですけど、だいたいがバタバタしてる。

ここに、手が取られる(という言い方も失礼で申し訳ないのですが)方が入所されると、職員が回らないんです。

 

具体的にどういう方かといいますと

他害、自害

暴力のある方は最も敬遠されます。
当たり前ですよね、他の利用者さんに手を出してけがをされたら大変ですから。

ついでにいうなら職員への暴力だって、大きな問題です。

ですから、他の人に無差別に手を出してしまう人は、入所はかなり難しい。

 

全く寝たきりで介護者にだけ暴力(も何回も言うけど絶対あかんけど!!!)振るう人はともかく、動き回ってた入所者に攻撃する人は、基本はどこも受け入れは断られると思っていいでしょう。

ふう
ふう
たまにやる気と情熱の塊みたいな施設あるから、そこを頑張って探すしか

もしくは精神病院を検討することになるかなと。

 

私個人としては、認知症等の原因はあれ、人に暴力を振るってしまうということは本人もつらいと思っています。
だから、お薬とかで穏やかになるならそれがいいと思うんだけども。

人権うんぬんの話になると困るので黙っときます(黙ってない)。

 

あと、自害ですね。

自分を傷つけ続ける人も困られます。施設は怪我されるのをとにかく嫌がるのです。

ですから、自傷とは少し違うかもしれないですが、歩けないのに立ち上がって転倒することが多い人も敬遠されます。

ふう
ふう
いくつかの施設では、自分で動いて転倒する方は、何かあってもクレームは入れません的な誓約書を交わして入所を受け入れていました
それでいいと私も思う

 

なんぼ家族や時には本人が

マダム
マダム
いやいや、ケガしても気にしなくていいです

と言っても、そうはいかないのです。

 

さらにいうなら自殺行為。
これ実は、施設ではそう珍しい話ではない。

 

私の経験ですと、夜勤してて真夜中に

死ねんかったわ

いうて首にベルト巻いたメンズが詰所来たことあったけど、まじで腰抜かしたもん。

ふう
ふう
トイレの荷物掛けで首つろうおもて外れたらしいです荷物掛けグッジョブ

 

あとはベッドの柵で首つろうとした人もおる。

 

この手の方はマジで一発退場です。即日退所です。怖いから。




徘徊

徘徊の程度にもよるんですけど、わりと断られますね。
転倒のリスクがある方や、のちに説明する、帰宅願望が激しい徘徊は特にです。

ものすごく足が丈夫で、ほんと何の問題もなくただ歩いているだけの方だといいんですけど。
それでも他の部屋に入られるのは困られがち。

そして他の部屋に入りがち。

ふう
ふう
そこのベッドで寝てみたりしがち

 

ただ、施設によっては徘徊する方が周回できる作りになっていて(特養とかの公的施設に多いです)、歩きたい人はクルクル歩いていたりします。

見習わなあかんなと反省するくらい、よく歩いておられます。

昼夜逆転

昼夜逆転というか、夜はよく寝られていますか?というのは聞かれます。

ふう
ふう
いえいえ、バチコリ起きて、夜こそ大声で歌ってその辺歩いて元気なんですよ☆

とか言うたらもうアウトです。

 

夜はただでさえ職員の数は少ないし、一人が騒ぐと他の入所者さんも起きてしまうので、静かに寝ていただかないと困るのです。

皆さん耳が遠いのに、雰囲気で察して起きられますから。(あれなんでやろ)

 

夜間不眠時の睡眠薬に関しては賛否ありますけど、私は飲んで寝られるなら、老若男女津々浦々服用するべきだと思っています。

 

ただ、お薬によっては起きた後もふらつきが残って転倒のリスクがあることと、とにかくみんな睡眠薬を嫌いがち。

睡眠薬とか精神系の薬抵抗しがち。

血圧の薬とかその他よくわからない薬はお腹いっぱい飲んでても、睡眠薬は

マダム
マダム
こんな薬飲んだら癖になる

言いがち。

 

でも、あまり眠れないなら病院行って睡眠薬もらってきてくださいねっていうのは、ショートステイ利用時であっても結構言われます。

それの良しあしはわかりませんけども、施設側の都合ばかりではなく、夜眠れないのはシンプルにつらいですし、いろんな方面で「夜間良眠」が良いのではないかと。

 

帰宅願望

施設に入ったら、100人中150人が

マダム
マダム
家に帰りたいんやけど

と言います。帰宅を願望します。

 

なんでこんなとこ連れてこられたんよ
子どもが私を養老院(ていう高齢者めっちゃ多い!!)入れて、家売ろう思ってるんやろ
ええから家に帰らせて
子ども呼んで
とりあえず家帰るからそこどいて
なんやあんたもグルかいな!!

くらいの発言では入所を断りませんし、もはや施設からしたら挨拶の一環です。

だって100人中150人が帰宅を願望するわけですから。

 

ただ、帰りたい帰りたいと言われるくらいであればいいんですが、家に帰りたくて暴れる人や、隙あらば脱走して家に帰ろうとする人。

この辺はちょっと断られることがあります。

 

脱走。

それは、施設が一番恐れる行為。

 

えっと厳密には施設から入所者が自由に出られないように施錠するというのは身体拘束にあたるそうですが黙れ小僧案件。
現場知らんやつは引っ込んでろ案件。

 

施設だけでなく、デイサービスなんかでも、だいたい一人は

マダム
マダム
玄関開いたらいつでも飛び出すつもりでございます

という、イケイケドンドンな方がおられますので、ご訪問されて玄関やエレベーターをあける時は、気を付けて頂けたらと思うのですが。

あまりにも脱走しようしようとする方は、どうしても施設側も警戒します。

 

施設で働いていた時、何度か施設から出て行った方を探しに行ったのですが(どんなに気を付けてても出ちゃうことはある向こうもプロだもの)、一番困ったのはタクシー呼ばれた時ですね。

乗り込んだところで捕まえたんだけど、運転手さんにむちゃくちゃ怒られた。
あれ何乗った瞬間メーター始まる仕組みなん?




有料老人ホームへの入所は紹介会社を通すのがベスト

と、このように書きますと、入所を断られがちなケースに該当される方は

マダム
マダム
じゃあどうしたらいいの

と思われるかもですが、とにかく紹介会社や紹介サイトを利用すれば、おおむね何とかなります



 

まずは無料の資料請求だけでもOKです

今は私たちケアマネも、利用者さんから施設入所の相談を受けると、そのままこのような紹介サイトか紹介会社さんにつなぎます。

たくさんある施設の特色を把握することは私たちには不可能なのと、そこまでしてたらきりがない。

 

特別養護老人ホームや介護老人保健施設のような公的施設にはケアマネがつなぎますが、民間は私たちは紹介しないです。

ふう
ふう
系列に施設があるところは紹介すると思うけd…
おっと誰か来たようだ

 

で、ケアマネだとくわしいことがわからないというだけではなくて、絶対に紹介会社さんを通したほうがいいというのは、今回書いたみたいなケースでもほとんどの場合が受け入れ施設を探してくれること。

ふう
ふう
私は過去に(なかなかの)(なかなかな)利用者さんの入所先を何度も相談しましたが、見つけてもらえなかったことは一度もないです

ほんとにどんなケースを相談しても、あの手この手で受け入れてくれる施設を見つけてくれます。

なぜなら紹介すると紹介した会社にマージンが入る仕組みだから。

 

今ネット社会なので、利用者さんやその家族さんが自分たちで調べることも多いんですが、有料老人ホームだけは紹介会社を通した方がいいというのが、私の持論です。

値段交渉とかもしてくれるとこあるし。

 

なので今回いろいろ書きましたけども、どうにかこうにかなることがほとんどなので、そこは心配しすぎなくて良いのですが、少し入所までには時間がかかるかも。

将来的に入所の可能性があるなと思ったら、早めにいくつかの施設を見学や検討されることをおすすめしますし、今そういう方が増えています。

 

施設の入所が難しい方は、在宅生活も不安定なことが多いです。

本人さんも家族さんも無理が出ないように、最善の方法のひとつとして、施設入所も検討されることをおすすめします。

ふう
ふう
よき施設に出会えますようにー!