今年も暑くなってまいりました。
梅雨が短かった2022年、いきなりの猛暑や節電等で熱中症になる方が激増しています。
高齢者もまたしかり。
ていうか高齢者がしかり。
高齢者の熱中症を予防しよう 水分補給と温度管理を上手に行う方法
ここにも少し書いていますが、熱中症で認知症のような症状が進行することはあります。
まあ暑いし水分足りてないしなので、ぼんやりして当たり前です。
さらにふらついたりして転倒したり、熱中症で入院等になったきっかけで要介護状態が進む、認知症の進行があることも。
高齢の方は感覚がマヒして暑さがわからないだけなので(のわりには冷房の風がヤダとか敏感ですけど、それも若い時のイメージが残ってるだけだと思われ)、きちんとした温度管理をしてほしいなということが言いたいのと。
本題それじゃなくて←
最近介護相談や実際の相談でちょっと気になることがあって、それを今回はお話させていただこうと思います。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
認知症が急に進行した、歩けなくなったらどうするべきか
今までそんなことなかったのに、急に認知症が進んだんですけどどうしたらいいですか?
いきなり動けなくなったし、失禁も増えたんですけど
介護サービスどうしたらいいですか?
介護LINEを受けるようになったせいか、以前よりこの手のお困りごとを相談されることが増えました。
答えは一択です。とっとと病院行ってください。
ここでブログ終わっていいくらいの一択
皆さん認知症となじみが薄いのでイメージがわきにくいのかなと思いますが、病気でもなければ、そうそう一気に進みません。
認知症も立派な病気ですけども。
イメージとしては、認知症は緩やかに進行したり戻ったりまた進行したり進行したりしてキープして戻ったり進んだりであって、急転直下はなかなかない。
全くないこともないんで完全否定はできないですけど、それよりも急に進行もしくは症状が出た場合
何か原因があって、認知症状もしくはADLが低下している
ことの方が多いです。
そもそも認知症も、素人が勝手に判断していいもんじゃないんです。
めちゃくちゃ多いですけどね、病名ついてないのに認知症って決めつけてるケース。
病院で確定診断されてないけどガンです、とかは言わないのに、認知症は自称しがち。決めつけがち。
これ発達障害もありがち。
認知症かなと思ったら、勝手な判断せず、とりあえず病院です。
家族が認知症かなと思ったら どの病院の何科を受診すればいいのか?
急に動けなくなった、歩けなくなった、失禁が増えた、ご飯食べなくなった。
だからどうしたらいいですか?
ていうのもむちゃくちゃ聞かれますけど、病院行ってください。
動けなくなったし歩行器借りたいとかヘルパー利用したいとか連絡が来ますが、急にそうなったならまずは病院です。
ケアマネ呼ぶのは簡単だけど、病院行くのは(もしくは連れて行くのは)大変だから、ケアマネに介護保険で何とかしてもらおうというのはわかります。
わかりますけど、やっぱりそうなった原因を調べるのが先です。
病院行ってください。
何回も言う
高齢者が急に調子が悪くなった時の原因だった病気あれこれ
私は医者ではないので、何が原因で急に認知症状が進み、もしくは動けなくなったりするのかはわかりません。
とはいえ病院行けと言われても、どこ行ったらいいのかわからないかもしれないので、過去に利用者さんで経験した事例を書いておきますね。
あくまでも私の経験したケースであって、高齢者だと教科書通りの症状出なかったりするので、ある程度の参考として目を通してくだされば幸いです。
睡眠薬の飲みすぎ
これはけっこう多い気がします。
高齢者は不眠で眠剤飲んでいる方が多いので、朝方ふらつくとか動けないとかはよくある。あるある。
しかしながら、私の利用者さんがつい最近急に言動がおかしくなって、しんどいしんどいと言ってほぼ寝たきりになって病院に相談したときは、すぐには眠剤が原因とはわかりませんでした。
なぜなら数か月前から服用していた薬だったから。
この方の場合は夕方になると言動や体調が落ち着いたので、それを踏まえて
もしかしたら以前に出した眠剤が、体にたまってきたのかな?
ということで試しに辞めてみたら、諸症状が落ち着いた次第です。
なお眠剤が悪いわけではなくて、この人の場合は寝られない寝られないと訴えてどんどん薬が増えていったことが原因でした。
水頭症
これもけっこう多いような気がする(そればっかりか)。
これまた最近まさに利用者さんが急に歩けなくなって、病院であれこれ調べて発覚しました。
・歩けなくなる
・失禁する
・認知症状が低下する
が、水頭症の典型的な症状だそうです。
この方は以前脳出血をされていたので、頭の画像をすぐに撮ってもらえて判明。
外来で髄液を抜いて(腰から!)(ヒッ)、その帰りから動きが軽やかになってました。
続くようならシャントを入れる手術をするそうです。
肝性脳症(アンモニア高値)
これはとある肝硬変の利用者さんが繰り返しています。
肝臓の薬がきちんと飲めていないとき、血中のアンモニアの量が増えて脳症になるらしい。
この方の場合はあの手この手をしてもなかなか服薬がうまくいかず、その結果としてアンモニアが増えてしまって、興奮状態になったり意思疎通が難しくなったり。
肝臓が悪い方が急に言動が不安定になったら、一度疑ってみてもいいかもしれないですね。
今ではこの方の話がおかしくなってきたら、即病院に行ってもらっています。
調子が悪いと興奮してよくわからないことでキレながら電話がかかってくるので
わかりやすいと言えばわかりやすい
なお薬をちゃんと飲んだり、ちょっと入院すると元に戻られてますので、いつもちゃんと飲んでほしいと希望するなど。
圧迫骨折
急に動けない歩けないになったら、実は腰やらなんやら圧迫骨折していた。
お年寄りあるある。
痛くないのかと思いますが、高齢者や認知症だと、痛みに気づかないこともしばしばあります。
過去一番びっくししたのは、急に歩けなくなって何とか病院運んだら、大腿部頚部骨折(足の付け根)(転倒して骨折で一番寝たきりになりやすいとこ)してた方がいたことですね。
これ痛くないとかすご。
脱水
熱中症だけじゃなくて、冬の隠れ脱水でも、ぼんやりして会話がままならなくなることあります。
熱中症ならなおのこと。
水飲んでマジで。マジで。ええから飲んで。
脳卒中
急におかしくなったら疑う病気の代名詞ですね。
高齢者の脳を調べると、だいたいの人に
・以前脳梗塞をした跡
が見つかります。
知らず知らずのうちに発症していることも多いので、まずは脳外科受診を視野に入れてみましょう。
神経難病
そうそう勢いよく進む病気ではないけど、なかなか発見されづらいのがこの神経難病。
何ともないとか他の病名を付けられて、様子を見ていたらある日がっくりと症状が進み、そこでようやく病気が判明した方もいます。
原因不明や精神的な物
今まさに私が担当しているほぼ寝たきりの方は、おそらく精神的なものだろうということで「不定愁訴」の病名がついています。
これもとことん調べたら他の原因が出て来るかもしれないのですが、もう寝たきりなのと本人さんの意欲の問題で、他科受診ができていません。
あとは精神的な病気として、老人性うつ病のケースもあります。
それこそ本当に何が原因か全くわからない方、まさかのシンプルに認知症が爆速ですすんでいるケースもなくはないです。
でももしかしたら、ここにあげたような原因があるかもしれない。
ちゃんとした原因があるかもしれない。
まずは受診先の的を絞らず、主治医の先生に相談をしてみてください。
そこでらちが明かなければ、大きな病院に相談に行くのも手かと思います。
まとめ
まとめとしましては、調子おかしなったら、とにかく素人判断せずに病院行ってください。
そればっかり言うとんなと思うでしょうが、そればっかり言います。
すべての話はそこからです。
ケアマネに言われても対応はできても、その症状は治せません。
いろいろ書きましたけど、そこいらへんの一介のケアマネが経験した事例より、百戦錬磨の医師の方が、たくさんの症例を知ってるんです。
病院行ってください。
これが言いたかったというかこれだけが言いたかった
では!!