この記事ではかなりきつく介護業界の裏話を書いています。
介護施設での虐待はきっと完全にはなくならないだろう、そう私が思う理由と
それでも悲惨な事件を防ぐためにはどうしたらいいか
私なりの考えをまとめています。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
利用者の世話をしてあげているという考え方の介護職員が存在する
このタイトルはセンセーショナルですね。
これまたドキドキします。
でも、真面目に考えてほしいんです。
介護現場の虐待や事件は、自宅で行われるそれとは全く別物です。
高齢者の虐待についてはすでに述べた通りで、介護疲れが原因で起こることが多いんです。
☞「高齢者の虐待について 虐待の種類とその見つけ方 虐待を防ぐためには」
ですから、私はそこまで否定的ではありません。
そこを否定するには、現行の介護保険は在宅介護に厳しすぎて家族に負担をかけすぎています。
ただ、介護施設で職員が虐待を行うのは、全く持って話が違います。
富士山と天保山くらい違います。
介護職員が虐待を起こす要因の一つとして
「自分が世話をしてやっている」
という意識があります。
これは絶対にあります。
何なら虐待をしていなくても、こういった考えの職員はいます。
恥を忍んでいうなら、介護職で働き始めたころの私もそうでした。
自分が介護をしないと排せつや食事その他の身の回りのことがままならない利用者がいる。
そういった関係を、自分の方が偉いと勘違いしてしまうことはあります。
そしてこれは、注意して改善されるものではないんです。
働いていくうちにその間違いに気づくか、何かきっかけがあってドカンと考えを改めるか。
ちなみに私に関しては後者でした。そのお話はまたの機会に。
話を戻しますと、
自分が選んだ仕事(介護職)でその業務をすることによって、利用者サイドや介護保険からお金が入ってきて、まわりまわって自分の給料になっている。
そういった意識がなく、「自分が世話をしてあげている」と思ってしまうことが虐待の第一歩。
つまりは純粋に仕事として介護職をとらえていない。
意外とね、介護現場の職員って、介護報酬とか知らないですから。
利用者がいくら自己負担払ってるかとか知らないんですよ。
えらそうに言ってますけど、もちろん私も現場時代は知らなかったです。
あとね、はっきり言いまして、職場の環境は大きく関係します。
百歩五百歩千歩一万歩譲って、自分の腹の中で「世話してあげてる」って思うのはね、いいと思うんですよというか仕方ないんだと思うんですよ一万歩譲らないといけないけどね。
顔に出さなきゃいいんです、顔にも態度にも口にも出さなきゃいいんです。
これをね、軽々しく口に出したり態度に出すことができている施設というのはたいそう問題です。
それができる職場であれば、顔に出して次は態度に出してその次口に出して最後は手が出てもおかしくないです。
それを防ぐためには、まずは施設長や施設ケアマネなんかの役職者が、利用者きちんとした態度で接することが大切。
それをしていない職員に注意する、さらにはきちんと現場に入って、職員の態度を確認しないといけません。
そこを放置していると、職員が何をしても許されると勘違いしてしまうことになります。
最近の施設は利用者さんを「〇〇様」と呼ぶような、そういったことにのみ重きを置いているところが多いんですが、問題は呼び方じゃねえだろって思います。
…今ここまで書いてみてほんと若干慌てて言いますけど、介護職員のほとんどは本当にまじめに介護の仕事をしているんですよ。
なんかこんな書き方してると、あっちもこっちも施設で虐待あるみたいですけど、そうじゃないですから。ほんとに。マジで。マジ卍マジで。
…何の話してたっけ、だから
勘違いしてしまった職員が勘違いしたまま仕事を続けないように、上司は絶対に指導をしないといけないし、
自分も正しい態度で仕事に向き合わないといけないし、
目を光らせていますよというアピールは必要だと思います。
では介護施設での虐待や事件はどうすればなくなるのか
前編でも申し上げましたが、全く完全になくなることはまずないと思います。
どんなことにも絶対はないですから。
ただ、先ほど書きましたように上司が目を光らせること、これは必要ですね。
はっきりいってこの業界、現場のことなんか全然知らない管理者や施設長というのは、まあまあの割合で存在します。
ですから、入所面談の際には、ぜひともその施設のトップがどれほど現場に入っているかを確認してください。
少なくとも現場のトップには会っておくことをおすすめします。
ものすごく熱心で利用者思いの施設長もたくさんいますよ
(今さら必死か)
あとはもうこれでしょ。
ヤフーコメントにもありました。たくさんの人が吠えてました。
私もひっそりと吠えてます。→「介護職歴20年 デイ、ヘルパー、施設、ケアマネ経験者が語る介護の仕事」
介護職の給料上げろ!
根本はこれなんですよきっと。
こんな安い給料でどれだけこき使うねんと。
実際はそこまで激安お給料ではないと思いますし、仕事だって自分で選んだから、利用者に手を出すくらいなら辞めちまえと個人的には思います。
でも、世間の目はそうじゃないでしょ、こんな安月給であんな激務に耐えている介護職はえらいぞ、でしょ。
この考え方が普及している限り現状は変わらないですよ。
給料安い→人が来ない→求人があふれる→面接に来た人の人柄選んでる場合じゃない
このループがある限り変わらない。
介護職が人気のある職業になって、募集に対して求人が殺到して、その中から良い人材を選ぶような世の中になったら、「こんな素敵な介護職をしている自分」っていうプライドと余裕が出てくるでしょ。
今みたいに、「職に困れば介護職」「誰でもできる仕事」って思われてちゃダメ。
そのためには給料上げるしかないんです。
ていうか手っ取り早い方法がこれです。
だからといってこれ以上介護報酬が増えても払えない人が出ちゃうから、国が負担を増やすしかないんですけど、ここ数年のこの国は介護保険をお荷物扱いしてますからね…。
何でもかんでも国の責任にするのは違うとは思いますが、施設の虐待や事件を防ごうと思うなら、国も制度の見直しに動き出さないといけないと思います。
ここに書いたことはあくまで私の個人的な考えです。
だから苦情は一切受け付けませんということではなくて、こういった事件が起きる背景について、もっとみんなで考えていってほしいんです。
事件を起こした人が悪い、いや、被害者が悪い、施設が悪い、そこに入所させた家族が、国が悪い、いろんな意見があると思いますが、誰もがいつ要介護状態に陥るかわかりません。
なんちゅう事件や悪いやっちゃなあで済まさずに、今一度皆さんでこういった事件について考えてみてくださいね。