要介護認定調査の「寝返り」「起き上がり」について説明します。
要介護認定調査の「能力」で判断する項目を説明します。
能力、つまりはできるかできないか、これで判断する項目です。
「能力で判断する項目」は以下になります。
・寝返り・起き上がり・座位保持・両足での立位保持・歩行・立ち上がり・片足での立位
・視力・聴力・嚥下
・意思の伝達・毎日の日課の理解・生年月日や年齢を言う・短期記憶・自分の名前を言う
・今の季節を理解する・場所の理解・日常の意思決定
一つづつ説明していきましょう。
と、その前に。
認定調査に関しては全ての項目がそうなのですが、頻度・回数が非常に重要になってきます。
例えばですが、能力の項目に関しても
一人で起き上がりができるならもちろん「できる」を選択するし
できないなら「できない」を選択。
でも、人間、特に要介護状態の方は、その時々によって状態が変わるって人が多いんですね。
起き上がりを含め、基本的にはできそうであれば確認動作を実際に行うんですが
とか言われると
「
」
食い気味で確認します。
これはですね、認定調査は普段の様子を聞き取らなくてはいけなくて、「できる」「できない」頻度の高い方を採用してチェックするんですね。
「半々くらいかな」とか言われるのが一番困ります。
調査員なかなか諦めずに聞いてくると思いますよ。
だって書かなきゃダメなんだもん。
適当に書いたら役所に怒られるんだもん。
だからまあ、半々だって言ってんじゃんとか言わずに
そこを何とかひねり出して下さいお願いします。
ごめんなさい話それました
項目の話に戻しましょう。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
寝返り (第1群 1-3)
仰向けの状態からどちらか横向きに寝返りしてもらいます。
「できる」「何かにつかまればできる」「できない」
この三つで判断します。
ベッドで寝ていてベッド柵をつかむ
こういった場合の判断は簡単なのですが、例えば布団の端をつかんで寝返りするとして(想像して)、
これ私の近くのある市町村では「できる」
その隣の市町村では「何かにつかまればできる」になります。
そう、いろんな市町村の認定調査をした経験からいうと
要介護認定調査は、市町村ごとに若干判断基準は違うんです。
ついでに言うなら書式も違います。
・印刷かボールペンで書くか鉛筆か
・間違えたら修正液か二重線か黒塗りか
・控えを調査対象者に渡すか渡さないか
市町村ごとに違います。
布団の端を「何かにつかまる」の「何か」と判断しない市町村の理由は、動くものだからだそうです。
ちなみにこの市町村で昔
「私パンツつかんで寝返りするの」
というマダムがいましたが、もちろんパンツは動きますから、「つかまらないでできる」という判断になりました。
この項目で困るのは、寝たきりや体の痛みで寝返りができない
そういった方はわかりやすいのですが
「私寝返りしないので」と言い切る方がとても多い。
でも、実際やってもらってできるなら
その動作で判断しますけど。
あと、向きを変えるのにいったん起き上がって横を向いて寝なおす、こういった場合は寝返りは「できない」になります。
ひどい腰痛の方とか意外と多いですね。
起き上がり (第1群 1-4)
これも「できる」「何かにつかまればできる」「できない」にわかれます。
ちなみにですが起き上がりの際に
いったん横を向いて肘をつき、もう片方の手も布団につき
そこに体重を乗せてえいやっと起き上がる(さあ想像してみよう)
この場合は「何かにつかまればできる」になります。
あと、介護用ベッドを使っていて、起き上がるときに頭をギャッジアップさせてから起きる
この場合は「できない」になります。
あくまで水平の状態からの起き上がりを確認します。
ちなみに余談ですが、この寝返りと起き上がりの確認動作の際
頑張る人の頑張り具合がハンパないです。
そう言いたい時多々あります。
「いつもそんなんじゃないでしょ」
同席者が驚くことも多いです。
でもね、やっぱり認定調査って、自分を試されて結果出されるわけじゃないですか。
いきなり調査員が来て(担当ケアマネがするところもあるけど)、できないこと白状しないとダメなわけじゃないですか。
そりゃいい気しないですよね
わしゃまだまだやれまっせ!
アピールしたいですよね。
その辺りの自尊心は絶対に尊重しないといけない、調査員として、そう肝に銘じてます。
「いつもあんなんじゃないんです」
って言ってくれればダイジョーブイでっす。