認定調査

要介護認定調査⑨ 『有無』の項目② 「精神・行動障害」について

ここでは要介護認定調査のなかでも認知症の大切な項目、認定調査用語でいうところの「4群」、「精神・行動障害」についてひとつづつお話します。

要介護認定調査 『有無』の項目①の続きです

 

認定調査の最骨頂!

「精神・行動障害」のあるなし超絶大事!

たくさんある人の調査時間めちゃくちゃかかる件!

ふう
ふう
終わらねえ!!!

 

ここはすべて「ない」「ときどきある」「ある」で判断します。

これの定義はこちらにあります→「要介護認定調査⑧ 『有無』の項目① 「精神・行動障害」以外すべて」

この項目は本人を前にして聞くのは難しい質問が多いので、別室等本人がいないところでこっそり確認します。

 

他の調査が終わった後に時間を設けて聞くわけですが、本人さんが一見しっかりしていると調査員は

「この項目はあてはまらないかな」

と思ってしまうので、必ず最初もしくは電話のアポの際に「後で時間を作ってください」と伝えておきましょう。

 

はじめに聞いておくのと帰り際に聞くのとでは、調査員の心構えも変わります。

ふう
ふう
さあ帰ろと思っていきなりたくさんの4群言われると「おお…」てなっちゃうの。

 

認知症のあるなしは必ず!最初に!お伝えください!ませ。

では順番に見ていきましょう。

被害的

「物を取られた」とか「お金を盗まれた」とか「ご飯を食べさせてくれない」とか、実際にはそうじゃないことを被害的に訴える行動です。

これ…つらいですよね…。

身近な人がターゲットになりやすいですから。

ふう
ふう
「こんなこと言うんです!!」て、家族さんがヒートアップする項目ナンバーワンですね。

 

作話

「事実と異なる話をする」ほか、「自分に都合のいいように話をする」なども含みます。

自分の失敗を取りつくろうために作話するとか。

ふう
ふう
自分が失禁して汚したものを、私じゃなくて家族がしたとかいう感じの作り話です

 

気持ちとしてはわかりますけどね。

それ失禁したの私じゃないとか、もう行っていない家事を「私毎日やってます」って言ったりとか。

これも家族さん怒るなあ…。

作話についてはここに書いてますけど、あんまり怒らないで下さいね→「家族が認知症かなと思ったら 怒らない、否定しないその理由と家族の対応」

ふう
ふう
オコッテモイミナイデスヨ。




感情が不安定

理由もなく泣いたり怒ったりして感情が不安定になることです。

 

「理由もなく」がポイント。

その場にふさわしくない感情の乱れがあるかどうかです。

 

昼夜逆転

これねー。ぜひ知っといてほしいですねえ。

ここでいう「昼夜逆転」は、単に夜眠れなくてっていう話じゃなくて、「昼間にすべきことを夜中に活動してしまう」、もしくは「夜中眠れなくて昼間に眠くなってしまって、昼の活動に支障が出る」ことなんですね。

 

だから単に不眠で困っていても昼間支障がなければこれは「ない」になるんです。

「夜眠れなくてつらいのに、昼夜逆転「ない」になってる!」って言われたりもするんですけど、そういうことなんですよね。

ふう
ふう
ひとつよろしく。

 


同じ話をする

その場にそぐわない話をしつこく何回もする行動ですね。

いきなり昔の話何回もするとか。

昔からの性格だったら「ない」を選択します。

ふう
ふう
まあ…いますもんねそういう人。うん。

 

大声を出す

これはもともと声が大きいとかそういうことではなく、不適切な場面で大声を出す場合です。

突然大声を出すとか怒鳴るとかですね。

ふう
ふう
びっくりした!てなるやつ

 

介護に抵抗

これちょっとややこしい項目です。

 

介護に抵抗っていうと、こうしなさいって言ったことをしてくれなかったり言うこと聞いてくれなかったりのイメージがあるかと思いますが、この項目でチェックするのはそういうことではありません。

 

トイレ誘導や着替えなど介助の際に、手を振り払ったり叩いてきたり、そういう行動がある場合を言います。

だから、身体介護が発生しない人にはあまり当てはまることがないですね。

 

落ち着きなし

これもややこしいです。

ただそわそわして落ち着きがないだけではなく、「家に帰りたい」と意思表示がある場合、両方あるときのみ選択します。

 

どちらか片方であれば選択しません。

 

一人で出たがる

まあそのまんまなんですけど、お外出たがって困っちゃう、そういう行動をさすんですけど、環境を工夫して外に出ることができなかったり、歩けない場合は含みません。

 

玄関の前に物を置いて外に出ようとできなくしているとか、そういう場合は選択しません。




収集癖

これまたそのまんま。

これまた昔からの習性なら選択しません。

 

物や衣類を壊す

あらやだこれもそのまんま。

壊さないように工夫していたら選択しないです。

ふう
ふう
…そんだけ。

 


ひどい物忘れ

これはじめのほうにも説明しましたけど、ただの物忘れなんかは選択しません。

 

この物忘れによって、何らかの行動が起こっているか、周りの人が何か対応を取っているかで判断します。

 

よくあるのが、「ガスの火を消し忘れてつけっぱなし」。

これ認定調査行くとほんと多いですね。周りの人が火を使わないように口酸っぱく言い聞かせていてもやっちゃう。

こういった場合はやっぱりスの元栓を閉めるとか、IHに変えてしまうとかしていただいたほうがいいと思います。

ガス使ってはいけないとわかっていながらやっちゃう場合もあるし、そもそもそう言われていることを忘れる場合もあるし。

 

あとは、物忘れのために周りの人が何らかの対応をしている場合。

同じものばっかり買ってしまってそれを家族が返品に行ったり処分したりとか、すぐに物をなくして周りの人が一緒に探しているとか、伝えてもすぐに忘れるからメモを貼って対応しているとか。

 

ただただすべてを忘れるだけなら選択しません。

子どもの顔を忘れていても支障がないならチェックは「ない」になります。

 

ふう
ふう

これも周りの人が何もしてないから「ない」って書いたら

「物忘れするのに!」ておこられるやーつ

 

独り言・独り笑い

…どうしよ。

これもそのまんま。

 


自分勝手に行動する

これねえ、ややこしいというか、例によって定義が曖昧なやつですね。

これまた例によってもともと自分勝手な性格の場合は含みません。

 

周囲の状況に合致しない行動なんで、まあ夜中に買い物行こうとしたりとか…。

う~ん。

 

何となくなんですけど、とりあえず困っている行動言ってもらって、ほかの項目に当てはまらなければこれで選択することが多い気がする。

そして役所もそれで良しとすることが多い気がする。

ふう
ふう
曖昧ですみません。

 

話がまとまらない

もともとの話からどんどんそれて行ったり、質問の答えと違うこと返したり、会話が成り立たない場合ですね。

 

まあ多いですね。

 

この項目は調査中に気づきます。

そしてこのタイプの認定調査はめちゃくちゃ時間がかかります。

ふう
ふう
答えすっと返ってこないから。

 

 

以上、「精神・行動障害」でした。

 

「特別な医療」に続きます。

ふう
ふう
次回がほんとの最終回(予定)でーす。