『能力』『介助の方法』に続き、最後の評価方法『有無』。
以下を調べます。
・麻痺・拘縮・外出頻度
・徘徊・外出すると戻れない
・精神・行動障害15項目
・集団への不適応
ごめんなさい、精神・行動障害はずらずら並べるととんでもないボリュームになりそうなので、次回きちんとすべてをひとつづつ説明しますね。
調査の仕方は単純明快
あるかないか、そしてその頻度を調べます。
ここでは「精神・行動障害」以外の「有無」を説明します。
ではひとつづつ見ていきましょう。
麻痺等の有無
「ない」「左上肢」「右上肢」「左下肢」「右下肢」「その他(四肢の欠損)」
麻痺の有無もそうですが、上下肢やそのほかが問題なく自分で動かせるかどうかを確認します。
これに関しては決められた確認動作がありますので、「腕を上げてください」「足を上げてください」などなど、実際に行ってもらっての確認をするのですが、痛みがある場合は行いません。
また、認知症で意思の疎通が難しかったり、寝たきりでほとんど体を動かせない方の場合は聞き取りで判断します。
「その他」は、例えば下肢を切断しているなど欠損がある場合に選択しますし、上下肢以外に麻痺等があり困っているようであればその個所を記載します。
拘縮の有無
「ない」「肩関節」「股関節」「膝関節」「その他(四肢の欠損)」
こちらは調査員が体を触り、他動で関節の動きを確認します。
こちらも痛みがあれば行いません。
外出頻度
「週一回以上」「月一回以上」「月一回未満」
これはですね、おおむね過去一か月の状況を判断します。
この外出っていうのは決まりがありまして、「一回おおむね30分以上」「居住地の敷地外」を言います。
そして徘徊や救急搬送などは外出とは考えません。
だから毎日15分くらい散歩しますというのは外出にはならないですし、入所施設と同一敷地内のデイサービスに行ってても外出にはなりません。
徘徊
「ない」「ときどきある」「ある」
はいここで絶対覚えてほしいこと~!!
有無の項目では、頻度が非常に重要です。
「ない」は月に一回未満
「ときどきある」は一か月に一回以上、週一回未満
「ある」は週一回以上
これめっちゃくちゃ大事です!!
「たまにあるんですよね~」なんて、AIMAIつまりあいまいな返答は調査員認めません!
週に一回以上ありますか?何回?そりゃこと細かく聞かないとダメなんです。
その回数を特記事項に記さないといけないので。
「あるときはめっちゃあるけど、ないときはほんとないですね~」
なんて言われても、許さず追い詰めますが怒らないでね☆
「徘徊」っていうと外をうろうろしちゃうことっていうイメージがあるかもしれないんですが、車イスで動きまわったり、床やベッドの上を這いまわったりも含みます。
ようするに「目的もなく動き回る行動」を「徘徊」と定義します。
…。
でも、よくベッド上でもぞもぞして立ち上がって転倒しちゃう人がいるので、それも目的なく行っていれば徘徊になりますね。
外出すると戻れない
「ない」「ときどきある」「ある」
文字通り外出して道がわからなくなって戻れなくなってしまうほか、施設に入所していて、トイレや食堂に行った後居室がわからなくなってしまうこともこれにあたります。
少し話はそれますが、認知症の方の徘徊や、行方不明は非常に深刻な問題です。
私の事業所にも、よく行方不明リストが回ってきますし、一見認知症の分からない方ですとどこまでも行ってしまうこともあり得ます。
そういった方の場合、今は福祉用具でGPS機能付きの徘徊探知機がありますので、利用を検討してみてください。
実際、私の利用者さんが先日かなり遠くまで7時間かけて徘徊してしまったのですが、この徘徊探知機のおかげで発見に至りました。
この方は近所の徘徊は頻繁にあったのですが、決して遠くには行かなかったので、設定を甘くしており発見が遅れました。
でも、ある日一本道を間違えた、それで大ごとになってしまったのです。
集団への不適応
「ない」「ときどきある」「ある」
人が集まる場で周囲の状況にふさわしくない行動を取ってしまうことですね。
デイサービスや施設を利用していて、その行動から周りの利用者とトラブルになるとか、お店等にいたときに何か問題のある行動を取ってしまったりだとか。
これ、もともとの性格がそうであれば「ない」になるんです。
もともと人にいらんこと言ってトラブル巻き起こすタイプの人とかは「ない」。
どんなに派手にもめていても、もともとそういう人なら「ない」。
そういう人…いますよね?
以上、『有無』の項目前半でした。
いよいよ次が認定調査最終回です。
そして次に控えるは最大の山場、認定調査用語での「4群」、つまり「精神・行動障害」です。