社会全体で考えるべき高齢ドライバー問題。
事件が減ることはなく、痛ましい事件の報道が後を絶ちません。
この問題について、ケアマネとしてたくさんの高齢者を見てきた立場から、考えを述べたいと思います。
高齢者の運転に関しては、まずはこちらにも書いています。☟
「高齢者の運転がなくならない理由 運転をやめた後介護保険で何かできるか」
この記事は、介護保険的観点から高齢者の運転のお話をまとめました。
制度的に、車の運転を辞めた後介護保険での生活のカバーは不十分であると。
なので、まずはその背景をみんなで考える必要があるんじゃないかと。
そういったお話だったのですが、この記事を書いてからも、高齢者の運転による、本当に胸が痛い事故が続いています。
それを防ぐ一番の方法は高齢者に運転を辞めてもらうこと。
でもそれは一筋縄ではいかない。
どうすればいいのかの答えはないけれど、少し一緒にいろいろな方法を考えてみましょう。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
人生最後の運転が事故 ブレーキとアクセルを踏み間違えた高齢の父親
これは私の父親の話です。
うちの父親はもともとタクシーやトラックなど、運転の仕事を長くしてきました。
二種免許も持ってるし、大型免許も持っています。
65歳で体を壊してから要介護認定は受けましたが、この頃はまだ要支援1で、比較的元気に生活をしていました。
父親が事故をしたのは68歳の時。
要支援でもあったし、私も兄も車の運転ができたので、普段父親に運転させることはありませんでした。
ハンドルを握るのは、私が実家に車を停めるために、家の駐車場の車を横に移動させる時だけ。
たったそれだけのことなのに、事故を起こしたのです。
私が駐車場に車を停めて降りたら
横の車と実家の軽がべっこりへこんでいました。
ほんまこんな感じ。
そしてご近所さんが外に出てきて私を見ていて、実家に入れば
脂汗を流して顔色真っ青でおやつを食べているじじいが一人。
秒ですべてを悟るわ!!!
ようするに、横に停まっていた車に、アクセルとブレーキを踏み間違えて突っ込んだんでしょう。
相当な衝撃だと思います、両方の車がへっこんでたし。
でもね、一番ぞっとしたのが
そのあとの処理ができなかったこと。
これね、ほんとなら「大変なことをしてしまった」ってなって、私に連絡するなり保険会社に電話するなり、それなりのことするじゃないですか。
そういうこと一切できなかったんだと思います。
なかったことにしよう、とぼけてこのままごまかそう的な。
ごまかせるわけないのに!!
結局うちの父親の場合はこれが人生最後の運転になりました。
本当に申し訳ないけど、駐車場に停まっている無人の車だったことが不幸中の幸いです。
これがもし人が乗っていたら。
車と車の間に人が歩いていたら。
父親は、人生の最後を犯罪者として過ごすことになったんだと思います。
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高齢者だけでもないですが
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高齢者が車に乗る理由
私は高齢者相手の仕事をしていますが、今のところ私の利用者さんでクルマの運転を続けている人はいません。
でも、高齢の家族さんが運転をしている場合はあります。
認定調査等で出会う高齢者で運転をしている方もいます。
だいたいがしっかりしたセダンに乗っています。
その理由はこれ。
事故した時に軽だと危ないから。
「え?」
ですよね。
ぶつけることを前提に車選んでるわけではないでしょうが、自分はがっちりした車に乗って守られようってのは、ちょっといかがなもんですかい?
今は、高齢者ドライバーに対する水際作戦が、免許更新時の認知症の確認となっているわけですが、はっきり言って認知症なんか大して関係ないです。
どんなにしっかりしていてもかくしゃくとしていても、絶対に若いころに比べて判断能力と力、反射神経は衰えています。絶対です。
だってアラフォーの私ですらそうなんだもの。
ちなみに私は日常的に自動車を運転し、原付に乗り自転車を走らせ、徒歩での移動も行いますが、ほんとつくづく思います。
一番移動が楽で簡単でぼんやりしてても動かせるのは自動車です。
これおかしいですよね、破壊力が大きい方が運転楽なの。
そして高齢になるといろいろなことが億劫になるので、楽な方法を選ぶその先に車の運転がある。
歩くのが自転車に乗るのが大変だから車に乗る。
地方で公共交通機関が発達していないところだけ高齢者が運転している訳じゃないですもんね。
楽だからに他ならない。
車の運転にめっちゃ力や体力がいるなら、高齢者乗らないというか、乗れないですもん。
高齢の親の運転を辞めさせるにはどうしたらいいか
説得は無理でしょ。
これ悩んでる人すっごい多いと思います。
親の年齢、体力的なこと、普段の状況から、もう運転辞めてほしい家族さんはいっぱいいると思うんですが、そこでもう運転辞めてほしいって言って
「了解~♡」
って辞めてくれる高齢者なんかほんの一握りでしょ。
そもそもここであっさりイエス言う方はそれまでに免許返納してますわ。
そんな歳じゃないし
まだ運転できるし
自分は事故しないし
車不便だし
あれやこれやで拒否りますわなあ。
ちなみに私の利用者さんで運転を家族さんが辞めさせた方法は
・ある日中古車屋を呼んで車を売り飛ばした
・車のカギを隠した
こちらです。
なかなかの力技です。
これくらいしないと辞めなかったってことですよね。
でもこれができる関係性ばかりでもないですよね。
あんまりいうたら怒るしね。
わかりますわかります。わかりみが過ぎます。
ホントは絶縁覚悟で説得してほしいですけど、そうもいかないのがほんとのとこだと思います。
高齢者の運転制限の法整備と自動車の性能を早急に行うべき
結局はこれしかないですわ。
私は基本的には何でもかんでも国をあてにするのが好きじゃないけど、この問題ばっかりは国が動くしかないと思います。
年齢制限を設ける
少なくとも75歳以上を越えたら運転は危険でしかないし、病気によっては70歳で免許返納してほしい
税金を高くする
一定以上の年齢なら、莫大な税金や保険料を課す
あとは自動車の方の整備ですよね。
自動運転自動ブレーキもそうですけど、運転前に脳トレとか反射神経テストとかして、それクリアできなきゃエンジンかからないとか
アクセルめっちゃ重いとか、そゆこと。
まあ免許返納しても無免許運転されたら終わりですし、実際増えてるみたいですけどねそのケースも。
そして法整備ったって、選挙権ありありの高齢者の不利になる法案、誰も通さないだろうなとは思いますけどね。
様々な理由から自動車の運転を辞められない人はいるし、実際事故をする高齢者ばかりではないし、もちろん高齢者じゃなくても事故をする危険性はだれしもあるけれど
今この時代に高齢で運転をしていて事故を起こしたら、大げさではなく人生は終わります。
社会的制裁が半端じゃないです。
そのあたりをぜひ人生の先輩方にわかっていただきたいなと切に願います。
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親御さんの運転状態を把握するためにもぜひご活用ください