介護保険

高齢者が運転をやめない理由 買い物や通院に介護保険が利用しにくい

高齢者の運転はどうしてなくならないのでしょうか。

もちろんすべての高齢者が事故を起こすわけではないのですが、高齢者が起こす運転事故のニュースは後を絶ちません。

そして、それに対する世間の風当たりの強さも、年々増しているように思います。

 

これだけニュースになっているのにまだその年で運転するのか

本人は家族は何を考えているんだ

 

痛ましい事故が多いですから、もちろんそう思われる気持ちもわかります。

 

私は長年高齢者と関わる仕事してますので、ある程度以上の年齢の方が運転するという危険性はもちろん重々承知しています。

認知症であるなし関わらず、判断能力や気力体力の点でも、やはり高齢者が自動車を運転するというのは非常に不安定であることは間違いありません。

 

しかし、高齢者の運転を擁護するわけでも肯定するわけでもないのですが

たとえ高齢であっても、自分で運転せざるを得ない状況というのがあるかもしれない。

ケアマネとして介護保険を知り、多くの高齢者と関わっていると、そう思うことも多いです。

 

その理由を、現行の介護保険と照らし合わせながら考えていきましょう。

 

老人ホーム紹介サイト「みんなの介護」にも、違った視点からの記事を載せています☆

介護保険内の買いもの支援サービスと通院同行」

介護保険を利用してできる買い物は限られている

まず知っておいていただきたいこととして、現行の介護保険法はですね

買い物と通院、この二つに関しては相当自由がきかないんです。

多分何も介護保険を知らない人はびっくりするほどに。

 

まず買い物なんですが、ヘルパーさんに買い物をお願いして買ってきてもらう、はできます。

これを買い物代行といい、訪問介護生活援助サービスに位置付けられます。

そしてヘルパーさんと近所のスーパーに買い物に一緒に行くこともできます。

これは身体介護サービス買い物同行です。

 

ただしですね、介護保険での買い物に関しては

嗜好品禁止

日常生活に必要なもの

つまり、これを買わないと絶対に生活できないものに原則定められてるわけですね。

 

タバコ買ってきて酒買ってきてどころか、お弁当買ってきて、ペットのトイレシート買ってきてもダメなんですね。

お弁当に関しては保険者(市町村)により差はありますが、うちの管轄はヘルパーが買いに行くことは禁止されています。

ヘルパーが来ているならヘルパーが作ればいいもしくは、お弁当が必要なら配食弁当を利用しなさいというのが見解です。

ふう
ふう
意外と知られていないので、ケアマネさんは保険者に確認しといたほうがいいかも

 

とにかく、必要最低限のものしか買いませんってことなので

ちょっと電車乗って、お気に入りのデパートでお洋服買うのついてきて、なんて言語道断。

ちなみに私は役所とですね

車イスの利用者さんがヘルパーと補聴器を作りに行きたい

これでバトルしたことあります。

「補聴器ないと生きていけないですか?」

でバトル。

ふう
ふう
なんだとこの野郎

お店で手にとって商品選びたいけど近くにスーパーはない場合、ヘルパーさんの車に乗連れて行ってもらう。

あり得ないんです。

ふう
ふう
買い物行けないんだったら、生協なんかを使えばいいじゃない

マリーアントワネット的思考が介護保険の答え。

もし障がい者関連の手帳があれば、移動支援は利用できるかも。

 

介護保険の法改正があるたびに、生活援助の買い物と調理はイラネ議論が持ち上がるんです。

ちなみに調理がイラネな理由は、ご飯作れないんだったらお弁当頼めばいいじゃない的なマリー解釈。

「配食弁当(宅配弁当)のススメ 元気でおいしくご飯を食べよう」

ふう
ふう
そういう問題じゃないと思うんだけど

 

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生協を利用している高齢者はとても多いです☆
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介護保険での通院介助

これはこちらの記事に詳しく書いています。

「介護保険の訪問介護で通院介助を利用する時 中抜きは自費払いが多い」

ですから簡単に。

ケアマネ泣かせな通院介助にいたっては、原則病院内は介護保険算定できないんです。

病院が無理って言ったら

ふう
ふう
無理って言われること多いけど

院内でも介護保険が使えるようにはなるんですが

ただ座って待っている時間は、身体介護が発生しているわけではないので

介護保険は算定できません。

結果待ち時間は実費になるか、もしくは通院介助ごと断られるかです。

最近は通院介助を断る事業所も増えてきました。

そりゃ気持ちわかります。

ふう
ふう
わかりますとも。儲からないもん←




 

そしてそもそも要支援の方に関しては、制度上、介護保険を利用しての通院介助は行えないと思っていただいていいでしょう。

 

送り迎えを車でしてくれる介護保険のサービスもありますが(通院等乗降介助といいます)

こちらも軽度者の要支援の方は利用できないし、まるで儲からないシステムなんで、実施している事業所さんも少ないです。

 

とにかく現行の介護保険は、あとちょっとの介助があれば楽に生活できる人に関して、ものすごく穴だらけなんです。

 

ですからみんな

歩くのはしんどいから

荷物持つのもしんどいから

好きなところに買い物に行きたいから

そして好きなもの買いたいから

いつでも自由に病院に行きたいから

ヘルパーさんに頼むとお金がかかるから

自分で車を運転する。

もしくはどちらもあきらめてどこにも行かなくなり家に閉じこもる。

 

すべて制度のせいではないし、だからと言って高齢者が車に乗ることを仕方ないと片付けてはいけないけど

今後どんどん軽度者のサービスは削っていこう!

介護保険はそう動いています。

 

高齢者の事故のニュースを見るたび、その高齢者本人や家族が責められることが多いんですが、その背景にはそうせざるを得ない事情もあったかもしれない。

介護保険の現状を皆様に知っていただいて、少し考えてみていただけたらと心から思います。

ふう
ふう
よろしくお願いします

 

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日用品は無理せず、宅配にお願いしてはどうでしょうか?