介護保険

40歳以上なら介護保険が利用できるガン末期 利用する時に注意すること

二人に一人がガンにかかると言われているこの時代、若い方(40歳以上)が末期ガンを理由に介護保険を利用されることが増えてきました。

 

ふう
ふう

40歳以上64歳未満の介護保険利用者を

「二号保険者」と言います。

定義はのちほど詳しく

 

しかしながら、介護保険の知識がなく利用できていない方

いきなり介護保険を勧められて戸惑っておられる方

そういう方も多くおられると思います。

本日のお題は、お若い方にもぜひ読んでいただきたい、非常にまじめな話です。

ふう
ふう
少し気の重いお話ですが、いざという時のために知っておいてくださいね

介護保険の二号保険者とは

まず、介護保険は原則65歳以上が利用しますが、特定疾病のある40歳以上64歳以下の方も申請することが可能です。

厚生労働省が定める特定疾病

がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)※
関節リウマチ※
筋萎縮性側索硬化症
後縦靱帯骨化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病※
【パーキンソン病関連疾患】
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
早老症
多系統萎縮症※
糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
脳血管疾患
閉塞性動脈硬化症
慢性閉塞性肺疾患
両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
(※印は平成18年4月に追加、見直しがなされたもの)

これは、ようするに要介護状態に陥りやすいと考えられている病気であり、ほんとなら高齢者に多い病気なんだけど若くしてかかる人もいるんだよねって病気が選ばれています。

 

ここでのガンの定義はこう。

がん【がん末期】
医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。

基本的にははっきり定められていないんですが、まあ余命6か月程度の方が対象になることが多いようです。

 

これね、覚えていてほしいんですけど、二号保険者が介護保険申請するときは、この特定疾病にかかっていますってちゃんと医師が主治医意見書に書かないといけないんですね。

☞主治医意見者についてはこちらに詳しく「要介護認定調査の時 主治医にうまく今の状況を伝えられなかった場合」

 

でね、まあ先生なりソーシャルワーカーなりが、介護保険利用した方がいいから申請しなさいよって本人なり家族になり言いますよね。

介護保険で福祉用具借りたり住宅改修したりできますから。そりゃ利用できるならした方がいいです。

ヘルパーさんが来てくれても助かるしね。

 

でも、ガンで「you、介護保険使っちゃいなよ」って医師が言うってことは、イコール回復の見込みのない末期ガンってことなんですよ。

 

これねえ、私らケアマネは「こういう人がいるから介護保険の申請代行よろしく」とか「ケアプランよろしく」って病院から依頼受けることも多いんですけど、まず聞くよね。

「本人末期って知ってんの!?」て。

 

過去に一人全然まだまだ大丈夫と思ってた人いましたから。

「え、私治らないの」みたいな人いましたから。

ふう
ふう
そういうとこほんと病院て適当なのよねリアクション困るやないかい

 

基本的には末期の人しか申請できない、その事実で気が重くなっちゃいますよね。

しかも、40歳から利用できるから、すごく若い人もいるわけですし。

 

ちなみに今同僚は自分より年下のガンの利用者さんを抱えてるんですが、私もそのうちそんな日来るんでしょうし、仕方ないけどごめんなさいやけど気は重い。

 

でもね、これ、ガン末期が特定疾病追加されたのって2006年なんで、介護保険施行して6年後なんです。

 

必要とする人が多かったから追加になったんでしょう。

実際私にも二号保険者のガン患者さん定期的に来ますもん。

 

体の自由が利かなくなるので、介護保険を利用できることはすごくいいとは思うんですが、気を付けてほしいというかここ落とし穴ですよっていうのもありますので、そこを次はお話します。




ガン末期の場合、訪問看護は医療保険優先

とりあえずガン末期で介護保険の申請をし、認定調査を受け、しかるべき要介護度が出て介護保険のサービスを利用するとしましょう。

1割2割3割負担で介護保険が利用できます。

「介護保険の負担割合証 平成30年8月から3割負担も その基準とは」

 

一番利用が多いのはレンタルや福祉用具の利用なんですが

ふう
ふう
ベッドとか車イスとかを借りる人が多いです

病気が病気ですから、次に皆さん考えられるのは訪問看護の利用です。

 

だがしかし!!

ちょっと待った~!!

ふう
ふう
ねるとん思い出した人は同世代☆

 

訪問看護は介護保険利用の場合と医療保険利用の場合があり、ガン末期は医療保険を利用しなくてはいけないことになっているんです。

ふう
ふう
どういうことかと言いますと☟

いくつかの難病や決められた病気の場合は、介護保険ではなく医療保険を介して訪問看護を利用しなくてはいけないんですが、ガン末期もそのうちの一つなんですね。

 

これね、まあ訪問看護さんが来てしてくれることに変わりはないので、じゃあ何がどう違うのかと言いますとずばりこれ。

支払い額。

 

正確には、介護保険と医療保険で単位はそう大きくは変わりません。

ようするに負担割合の違いなんです。

 

医療保険は多くの若い方は自己負担3割ですよね。

そこ。

ふう
ふう
ここ

 

介護保険はごく一部の方は3割ですが、ほとんどが1割、たまに2割ですから。

働いている方だとどちらも3割かもしれないですが、主婦の方なんかだと介護保険は1割が多いと思います。

ふう
ふう
自分の収入で負担割合が決まるので

 

けっこうな額になるんですよ3割ですと。

訪問看護1時間来てもらって2500円くらいするのかな。

1割で900円弱なので。

 

ここがネックでね、二号保険者さんは訪問看護利用しなかったりします。

高いから。

二号保険者がガンで介護保険を使っている以上末期ですから、医療保険優先になることは致し方ないんですけどね。

 

ふう
ふう

末期ガンで意見書を出して介護保険を利用しているので

病名は必ず末期ガンになります。

そうなると絶対訪問看護は医療保険になるんです





だから介護保険が1割負担でも、ガン末期の場合だと医療保険の負担割合になることを覚えていてください。

 

ちなみにこれは1号保険者、65歳以上でも同じです。

この場合は主治医が「ガン末期」で指示書を書いてしまえば医療保険。

 

裏の話をすると、介護保険を限度額いっぱい利用して単位が足りない場合で高齢だと、「先生お願い末期って書いてください」みたいなお願いをすることもあります。

負担割合がどっちも同じの場合は特に。

医療保険で訪問看護が利用できれば、介護保険の単位が浮きますから。

 

だから一概には悪い制度とは言い切れないんですけどね。

ふう
ふう
若い人は別なだけで。
40歳以上の方でもガン末期を含む特定疾病の方は、介護保険の申請が可能です。

ただし、前述したように、医療保険が優先となる場合もあります。

また、病院によっては「介護保険利用できますよ」と言ってくれないところがまだまだありますので、ご自分やご家族、お知り合いの方が万が一こういった事態に陥れば、介護保険の利用が可能であることを知っておいてくださいね。