介護保険サービスを利用するには、いろいろな手続きが必要です。
ケアマネ探し、届け出、契約その他もろもろもろもろ。
もろもろもろもろを乗り越え、契約もした事業所も探した曜日も決まった時間も決まったさあ!!
介護サービスご利用くださいませ!!
ケアマネにとって大きな山場を乗り越え、あとは高みの見物と行きますかとなったこのタイミングで。
サービスが大きくとん挫することがございます。
サービスの介入に大きな敵が現れることがございます。
そう、その敵とは!!
利用者本人のサービス利用拒否!!!!
いいですか、すべてのお膳立てが整い、さあレッツらゴウゴウになった時。
と、覆されることがですね!!!
あるんですよ少なからず!!!!
お願いした事業所さんから話しちゃうやんけという無言の圧を受け、脇汗冷や汗が止まらないケアマネさんお察しします。
他人事みたいに言うてるけど私もです。
今回は、ナウでヤングな困りごと
「介護サービスの受け入れを拒否する利用者さんに、どうにかして介護サービスを利用をしてもらいたいときどうすればいいか」
というテーマで愚痴を吐くちがうお話をすすめていきたいと思います。
これ、ケアマネも困るし事業所さんも困るけど、家族さんも困るわけです。
他人事ではないのですよ。
この介護拒否、最大の論点となるのは
たとえどんな生活であれ、本人の意思を尊重するか
本人の意志よりも、人間らしい生活を守ることを優先するか
です。
介護職なら避けては通れぬこのテーマ。
ナウなケアマネが愚痴を交えながらお話していきます。
目次(クリックするとその項目に飛びます)
介護サービスが必要なのに拒否する人
あまりこの業界になじみがない人は意外かもしれないですが、そもそも介護サービスを大喜びで利用される人というのは、実はそんなに多くはないです。
ほとんどの方は、介護サービスに頼らずに、自分の力で何とかかんとか生活していきたいと思っています。
申し訳なさもあるだろうし、サービスを利用しなくてはいけない自分が情けないという気持ちもあるだろうし、金銭的な問題もあるし。
このような理由で
てな方は、わりとこちらが必要性を説くと納得してくれることも多い。
で、納得してくれないにしても、
で様子を見ることができる方が多い。
そうはいかないのが、誰がどう見ても何らかの介入が必要なのに
プライドが高くてサービスを拒否
認知症でサービスを拒否
認知症でプライドが高くてサービスを拒否(最強説)
のパターン。
介護を拒否する方への介入はこちらの記事にも書きました。
掃除できてないご飯食べてないお風呂入ってない薬飲めてない冷暖房付けられないお水飲めない買い物できてないしゴミ出せてない。
そういった方が何らかのルートで介護保険につながり、そして私たちケアマネがついた場合。
お掃除と調理でヘルパーさん利用しましょうか
お風呂はデイサービスで入りましょうか
なんて話を勧めていくわけです。
事業所さんと家族さん、本人さんを交えてサービス担当者会議をするわけです。
そこで家族さんからあれしてほしいこれしてほしいと要望が出てですね
本人さんはそこでは
とか何とか言いながらもですね
実際のところは生活が成り立っていないので、家族さんやら私らやらに説得されてですね
となって、ハイ解散となって、初回の訪問日、ヘルパーさんがお邪魔しまっすしたらですね
必要ないから帰ってもらえます!?
てな感じで拒否られたんですけど的なーーーーー
電話かかってきたらどうします的なーーーー
的な話ーーーーー
拒否されてもヘルパーやデイサービスを入れるわけ
例えばこのようなおうちに暮らしていてもですね
というのが本人の言い分。
ご飯食べてなくてどんどん痩せていても、お風呂入れなくて悪臭がしてても、ねえその炊飯器のご飯保温99時間って、表示の限界に挑戦してんじゃんとか思っても
キッパリとね。言われるわけ。
そして本当に本人は困りごとに気づいていない場合が多い。
このマダムの(拒否を聞いて駆け付けた泣)ヘルパー拒否の理由はこうでした。
マダムがナンバーワンなんす断トツで!!!
このケースは、ヘルパーさんの場合ですが、あるあるとしてはデイサービスでも同じことが起こります。
迎えに行ったら
もしくは不在←
そして連絡受けて、ケアマネ平謝りからの駆け付けるまでがデフォ。
いったんデイさんのことは置いといて、ヘルパーさんを拒否する方は少なくないです特に女性。
家のことは自分がきちんとしているのに(していたのに)というプライドや、誰の手を借りなくても生活できるのにという認知のゆがみ。
認知症に関してはいろいろな記事を書いてきたんですけども
その中でもこれかな、認知症の人への対応は、とにかく否定しないことがポイントていうのを書いた記事。
ていうか否定してよくなることはまずない。
あくまでも本人の意志を尊重し、こちらが譲ってそして合わせていかないとダメなんですけど。
けど。
ここほんと冒頭にも書きましたけど、介護職ならだれもが一度は通る葛藤。
本人が嫌がっていることはせず、意思を尊重するのか。
本人の意志は後回しにして、人間らしい生活を優先するのか。
家がゴミ屋敷で失禁で悪臭が漂っていて、ろくなもの食べてなくてお風呂に入っていなくても、その生活を本人が望むなら邪魔しないのか。
たとえ本人が嫌がっても、無理やりに、いわゆる人間らしく快適な環境を整えるべきなのか。
あなたはどう思われますか?
私は、答えは後者一択だと思っています。
というのはですね、そりゃ私もケアマネ歴10年として、初めのころはほんと利用者さん思いだったのでですね
本人が嫌がることはしたくないしと思って、わりとぐずぐず判断できなかったりしたんですけども。
経験を積み、痛い目も見て、怒られて謝罪して取り繕って取り返しのつかないことも経験して(言えない)、そして今断言できること。
劣悪な環境で介護サービスを拒否していた人に、半ば強引に介入して身辺を整えていくと、その人の状況は絶対によくなりますし、介護者に感謝してくれるようになります。
100%とは言えないけど、ほとんどの人がそう。
プライドの高さや認知症が邪魔をして介護サービスを拒否していても、掃除をし、お風呂に入って清潔になり、きちんと食事が取れてきれいなお布団で眠れるようになると
てなる日が来るんですほんとそうほとんどの人がそう二回言いましたけどそう。
人間らしい気持ちのいい生活を、どんな人でも心の底では望んでいるんだと思います。
しかしここに至るまでの道のりはけして平たんではない。
私の利用者さんで
にたどり着くまでにかかった期間、最短3か月最長2年です。
でも、やるっきゃないと判断した場合、どうしていくのが正解なのか。
介護サービス拒否の人にどう対応していくかの方法
さて、本人はヤダヤダ言うていても、介護サービス(ここではヘルパー)が必要と判断しましたと。
ここから、決して平らな道ではなく人知れず涙を流しながらいくつもの道を越えてたどり着きましょう
まで!!!
で、たどり着くにあたってまず必要不可欠なのは、ヘルパーさんです。
ヘルパーさんの協力、血と汗と涙なしには「ありがとうねえ」にはたどり着けません。
訪問介護のサービスに「じっと座ってお話をする」という行為は認められていません。
傾聴こそ介護の基本だと思うけど、認められていません。
時間や単位はこのように定められていますが
生活援助2なら20分以上45分未満、生活援助3なら45分以上(だいたい60分か70分)
何らかの介護サービスを行わなくてはいけません。
ケアプラン自体が
というように、何をするのに何分かかるかで決めるもの。
何もしないというサービス内容がない以上、ヘルパーさんにはケアプランにのっとって何かしてもらわないといけないんです。
が。
敵はバッチバチの臨戦態勢!!!
どうするさあどうするヘルパー!!!
もうね、ここはですね、ほんとにね。
ヘルパーさんのここ。(腕パンパン)
と、ここ。(口パンパン)
マジ腕と話術の見せどころです!!!
本人の機嫌を損ねないように、まずは心を開いてくれるように、あたりさわりのない会話をしながら、目は家の中を舐めるように眺めまわし、あれができてないこれができてないここは大丈夫の確認を行いつつ、先方が気にならない程度にそっとゴミをつまんでみたり捨ててみたり会話の流れでいけそうならトイレ掃除に突撃してみたりそして撃沈してみたり
あの手この手口八丁手八丁で距離を縮めて、できるだけのサービスをしてくれます。
どうしても本人のガードが固い時は、おとりとなってケアマネが話し相手しているうちにヘルパーさんがサービスをしてくれたり
逆に嫌われてもさほど支障のない(←)ケアマネが、もう無理やりに冷蔵庫開けて期限切れ捨てたり掃除したり着替えさせたり
することもあるんですが、やっぱり毎回というわけにもいかないですしね。
ヘルパーさんがプロとして動いてくれている以上、お任せするのが筋だとも思うし、だいたいが事務所で祈りながらヘルパーさんを遠隔応援し
の電話がかかってこないことを神に祈っています。←
家族さんがいる場合なんかだと、ヘルパーさんにかぎらずなんですが、本人がサービス拒否していると
なんて注意してくださる場合あるんですけど。けど。
ほんとお気持ちだけで結構です!!
私らは認知症の勉強もしているし、拒否されたらどうするかはきちんと作戦練ってますし、変な話私らサービス事業所が本気で利用者さん怒らせて嫌われても、チェンジ効くんですよ。
でも家族さんはそうはいかないでしょ?
いやな役目は事業所にさせといてください。
とにかく嫌がられても「絶対に必要だ」と判断したサービスについては、関連事業所全員が同じ思いを共有して、強行突破するのが大事。
誰かが
言い出したらもうおじゃんじゃん。
でも。
それでも、拒否が本当にひどくて、手を変え品を変えしてもサービスの介入ができない場合もあります。
そういうときは本人の困り感が出るまで様子を見ることもあります。
そして、サービス利用ができなかったせいでよろしくない結果に至ることも、もちろんあります。
そういうときの無力感や後悔が積み重なって、ケアマネは強くなるのかなって何の話やこれ。
とにかく、もしこれを読んでいるのが、家族が決定された介護サービスを拒否したり抵抗したりして困っている方でしたら
私らそんな事例ごまんと経験しています。
もし、介入している利用者さんが介護サービスを拒否して困っているヘルパーさんでしたら
無理せずケアマネに相談かけてください。
そして利用者さんが、担当者会議の時はヘルパーいいよって言うたのに、いざサービス開始したら拒否ばっかりで、事業所さんから鬼電来てるケアマネさんでしたら
とりあえずコメツキバッタのように謝ろう。←
大人に本気で拒否されるとやっぱり仕事とはいえ心は折れるし、緑色になったちくわ捨てんといて言われたらなんでやねんとか思うし、カピカピの髪の毛でちゃんとお風呂入ってますとか怒られたらそりゃ気のせいではあるまいかとか言いたくもなるんですけど。
ほんと関係性を作って、この人は信頼できる、この人が来てくれたあとは快適だと思ってもらえたら、利用者さんの生活が劇的によくなることは少なくありません。
拒否をごり押しするのが正しいのかという葛藤はありますが、まずは数回粘ってみられることを切に願います。
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介護保険ではできません