ケアマネ日記

ケアマネが伝える任意後見人制度の必要性 安心して老後を送るために

みなさま、「後見人制度」という言葉をお聞きになられたことはありますでしょうか?

私はあります。ええ、あります。

ありますどころか、介護職歴20年で後見人制度の研修は何回も受けたし、覚えてないけど介護福祉士の試験やケアマネの試験にも出たと思う。
全く覚えてないけど(キッパリ)。

おそらく一度でも自分の利用者さんを後見人制度につなげことがあれば、きっと仕組みはわかるに違いないのですが、今のところその経験がないのです。

必要性がなかったんじゃない。

お金の管理や判断能力が怪しくなった人が利用するこの制度が必要な人は、常に何人もいます。

この人に後見人さえついていれば(こんなにややこしくならないのに)

なんて思ったりなんかしちゃうことなんか日常茶飯事お茶の子さいさいです。

Q じゃあなんで後見人制度使わないの?

A ややこしいからだよ!!!!!

後見人につなごうとしては撃沈したこと多数あり。なにせ手続きが煩雑。
私の中で後見人は、都市伝説の遠いお話だったのですが。

今回主任ケアマネのとある法定外研修で勉強した「任意後見人制度」というのがとても良くて!
とてもとても良くて!

しっかり理解したわけではないんですけど(え)、忘れないうちにアウトプットしたくて、勢いでこの記事を書き始めました(え)。

任意後見人制度をきちんと説明できる自信は全くありませんが、今の高齢社会で絶対に必要な制度ではあるということは理解しました。

その理由をまじえながら、できるだけわかりやすく、任意後見人制度の必要性についてお話していきたいと思います。

制度をくわしく知りたい人は、他のサイトをさがしておくれ

↑これを機に行政書士の資格を取りたいとすら思っている(どんだけ)

老後の話を決めておくのは早いほうがいい その理由

今回の研修は、主に人生の後半をどう過ごすかというテーマでした。

一時物議を醸しだした人生会議の話や

エンディングノートの話

そういった話の流れから、後半は任意後見人制度の説明。

私としては、はじめその流れの理由はわからなかったのですが、講義を聞くうちに

なるほどな、人生の後半についてしっかりと考えておくことを推奨していて、その延長線上に任意後見人制度があるんだな

我納得。

私は自分のエンディングノートは書いているし、両親にも「どこまで介護してほしいか」「最期はどうしてほしいか」「葬式はどうするか」の話を詰めています。

それはひとえに、私が高齢者介護の仕事をしていく上で、判断能力のなくなった方の家族が

急にこんなことになってしまってどうしましょうどうしましょう

となってしまうのをさんざん見てきたから。

私は仕事がら、急に要介護になる人をたくさん見てきたので、みんながどうして

「自分の親はボケない」
「自分の親が急に要介護になるわけがない」
「お金の管理も自分でできているから、誰かに騙されたりするはずがない」


と信じ込んでいるのか、ほんとにわからないんです。

じゅうぶんな心構えや準備ができていないまま歳を重ねると、認知症の発症であったり、年齢相応のいこじさが出てきたりして、お金の話をしにくくなることも少なくありません。

ていうか多い。めちゃくちゃ多い。

これね、ある程度親が元気なうちなら

「もしお母さんお父さんが歳取ったら、お金の管理とかどうする?」

て聞きやすいんですよ。

先方も、自分がいつか弱るとかあんまりしっかり想像してないからね。
そしてその方が、何かあった時どうしたいかの想像が働くんですよね。

ところがどっこい、これが本当に弱ってしまってからだったり、認知症の始まり頃に

「そろそろヤバイ!」

と思って話し合いしようとするとですね。

「いざという時」がもうリアルにそこまで迫ってますからね。

わりとみんな意固地になっちゃうんですよ。
財産全部子どもに取られんじゃないかって警戒する人もいる。

認知症で被害妄想なんか始まってた日にゃもうあなた。

あなた。

地獄絵図

だから、将来のことは早めに決めておいたほうがいいです。

生きてれば、老後は必ず訪れるんです。

こう話すと

いやもう私はそんなに長生きしいひんから
かっこ笑いかっことじ

てみんな言うんですけど!!

ほど良いところで寿命が尽きる保証なんか、どこにもないですからね!

だから私らのお仕事あるんすわ

老後のことは遅くとも60代までには決めておいたほうがいい。

老後イコール現在になってしまってからあれこれ決めようとすると、まあ冷静になれませんから。

老後のことが他人事なうちに決めておきましょう。

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生前事務委任契約 安心して老後を過ごすために

では、老後については早めに話し合っておいてねと熱弁を振るいましたが、そこからなぜ「任意後見人制度」を勧めるのかという話。

ここでお伺いしたい。
あなた様、ご家族関係良好ですか?
密に親御さんと連絡取れますか?

そして家族の財産をきちんと守り切ることができますか?

私は両親とは関係も良好だし、実家から徒歩五分のところに住んでいます。
独身の兄が両親と同居していて、兄とも関係は良好です。
ない袖は振れないので、財産争いを兄とすることもないでしょうし、両親の介護(どころか兄ちゃんの介護もありそうだわガクブル)は私が手はずをするでしょう。
それに対して異論もありません。

そんな状態でも考えたんですよ

任意後見人、時期が来たら親に勧めてみようかいな

と。

というのはですね、私はケアマネとして高齢者の生活に関わっているんですけども。

ほんっとに!!

ほんっとに、高齢者を狙った犯罪が多いんです!!!!

いくら関係が良くても、親のお金を逐一管理もできないし。
もちろん

あ、もううちの親はアウトだな

と判断したら金銭管理もするんでしょうけれども。

記事にも書きましたが、犯罪に巻き込まれて初めて認知症が発覚することも少なくないのです。

何なら犯人が捕まって自供するまで、全財産を巻き上げられたことに気づいてなかった人もいる。
その人は自供を聞いても思い出せませんでした。
家族からすると二重のショックです。

私は(あれだけ研修受けたはずなのに)、後見人制度は認知症になってから考えるものだと思っていました。

が。

今回の研修で「生前事務委任契約」を知り、

こりゃええわい

我感動。

ついでに

全ての利用者が生前事務委任契約しておいてくれたら、こんなに楽なことないのに

と思った次第なのです。

生前事務委任契約とは、いわゆる任意後見が始まるまでの契約。
任意後見は認知症等が発症してから効力を発揮しますが、高齢者の場合、認知症でさえなければ何でもかんでもできる、てなわけではない。

高齢になると、認知症関係なくても判断能力は衰えます。
なんや難しい話はわかりません、となります。

足腰が衰えて銀行に行くのがつらくもなるし、介護保険サービスを利用するにしても契約等々いるし、支払いもしないとだし。

そういうのをしてくれるのが生前事務委任契約や見守り契約。

専門家ではないので細かい説明はできないですが(え)、とにかく高齢になってできないことを家族や友人の代わりに行いますよと。
そういう制度です。

これケアマネしかいない研修だったんですけど、みんな思ったはず

利用者みんなが任意後見人制度利用してくれたら…
あんなことやこんなこと…
ケアマネがやらなくていいのに!!!!

少なくとも、利用者の冷蔵庫買いに行ったりいらん契約をした利用者のクーリングオフをしたり国勢調査したりなくした保険証の再交付に走っている私からしたら

この世の高齢者全員
任意後見人制度使ってほしい

とさえ思いました(思いすぎ)。

生前事務委任契約は

・財産管理
・生活や医療、介護の手続き等
・生活の支援(保証人等)

をしてくれて、だいたい報酬は1~3万円前後だそうです。

これを高いと取るか安いと取るかはそれぞれですが、いちいち諸手続きのために遠方から家族さんが帰省したり、それこそ犯罪でお金を取られるくらいなら、後見人にお金使う方がいいんじゃないかなというのが、私のケアマネとしての意見。

家族と連絡付かなかったり、何もしてくれないできない家族だったり、そもそも身寄りがない人の代わりに日々ケアマネの業務でもないことに翻弄されているケアマネの意見。(やめとけ)

生前事務委任契約まではいらないかなって方には、「見守り契約」があります。
こちらも費用は発生します。

こちらは財産管理より安否確認がメインで、郵便物の仕分け等を手伝ったりもするそうです。

生前事務委任契約、見守り契約共に、依頼する内容は自由ですし、判断能力が衰えれば任意後見契約が発動します。

発動してしまえば、あとはほぼ法定後見制度と同じ。

法定後見制度についてはまだはっきり理解していないので、他の誰かのわかりやすいサイトを見るか、私が勉強して理解するまで待ってください。←

もしくはご自身でお勉強を←

死後事務委任契約 亡くなった後も安心

さて、それなりに元気な時には生前事務委任契約を利用しておき、認知症等々で判断能力が衰えれば任意後見に移行。

からの、ご臨終になられるとしますよね。

むしろここから困る方というのが、このご時世多数おられます。

法定後見や、任意後見はご臨終なさったところで終了となるのですが、人生が終わったとてその後のあれこれが気になるのが人間というもの。

お葬式は誰がどこであげてくれるのか
今住んでいる家の処分は誰がするのか
お墓は?仏壇は?

いやそもそもの「死亡届」に始まる行政の手続きも、誰かがしないといけません。

その他にも、ペットの行方やらなんやらかんやら、残された人がするべきことはたくさんあるのですが、死後事務委任契約を結んでおけば、任意後見人がしてくれるとのこと。

これは良い。

これは良いですよ。

生きて契約を結んでいるうちは、そして介護保険サービスを利用しているうちは、本来の仕事じゃなくても動いてくれるケアマネジャー。

ばっかりでもないよ!!!!(強調)

しかし、さすがにお亡くなりになったら、私たちができることなんか一ミリもありません。

レンタルしていた物品の引き取りなんかの手配はしますが、それくらい。

あとは何頼まれても無理です(キッパリ)。

無理です(キッパリ)。

そうなると、その後のもろもろを片付けるのは家族さんの役目ですが、できる家族さんばかりでもない。

それどころか、家族がいる人ばかりでもない。

いるけど関りがない場合もある。

いやむしろ仲が悪い場合がある。

とてもとても仲が悪い場合がある。

あるのです(ゲッソリ)

親子関係が悪い場合もあるし、兄弟関係が悪い場合もあるし。

ご臨終でエンディングでさようならしたあと

あの家大丈夫やろか

と思うことよくあるんですよね。
ケアマネには何もできないですけどね(強調)。

何をどこまで依頼するかによって、死後事務委任契約の費用は変わるのですが、あの世にお金は持っていけませんから。
エンディング後お金が残りそうであれば、自分の後始末というか、お片付けや心残りをプロに頼んでおいたらいいと思います。

その方が残された家族も気楽じゃないかな。

だってよ!!だってだってよ!!

平成29年の国庫帰属財産額(誰も相続する人がいなくて国がポッケナイナイしたお金)、520億円らしいですよ!!!

だいたい一人約246万円なんですってよ!!!

もったいない!!!

それなら後見人を立てて遺書を作成して好きなところに寄付するなり、死後の処理に使う方が良くないですか?

利用者さん亡き後、その家の前を通っては

このおうち身寄りもなかったし、この先どうするんだろう
家の中も物あふれてるのに

といらぬ心配をすることもなくなるのになと、我思うわけです。

任意後見人制度の費用とまとめ

さてここまで任意後見人制度の話を

さいこうさいこう
みな使いたまえ

と書いてきたわけなんですけども。

もちろん任意後見には費用がかかります。

法定後見の場合は、家庭裁判所が財産額等ふまえて報酬額を決定するので、

お高いざます

というイメージがあって、それでなおさら利用しづらかったんですが。

任意後見は委任契約なので、各自で費用や支払い方法を決定するらしく、今回お話を聞いた行政書士さんであれば月1~3万円が相場。

ちなみに任意後見を依頼する先の費用は

弁護士>司法書士>行政書士>社会福祉士

こんな感じ(私調べ)。

どうしても費用がかかるので、生活保護の人なんかは社会福祉士さんにしか頼めないんですけど、そうすると費用が5000円なんてこともあるらしい。

これはやってられへんと思う←

任意後見人さんの仕事内容は、お金が中心という違いはあれどケアマネに似ているので、それなりの報酬はそりゃもらうべきだと思います。

ちなみにケアマネの報酬はこちら(激安大特価)。

だから、制度としては日々のお金がギリギリであるとか、生活保護の人は利用しにくくなっています。

でも、そうじゃなくて、年金で生活してて月2万円くらいは余るかなあって人はもう、ぜひぜひ利用して頂きたい。

間違いなく家族負担は減ります。

介護保険の利用時や入院した時なんかは、どんなに遠方でも家族さんに連絡が行くし、親元に行かなくてはいけない場合も少なくない。

ここに書いたように、必ず誰かがキーパーソンになる必要もある。

この記事に書いたこと、ほとんど任意後見で解決するんじゃないかな。

介護をプロに頼む時代なんだから、親の財産管理やその他もろもろもプロに頼む時代なんだと私は思う次第です。

とてもい良い制度だと思いすぎた結果、たいして理解できてないうちに記事にしてしまいましたが(反省)、ご興味持たれた方はぜひ!!

他のくわしいサイトで詳細を確認してください!!←

では~