介護保険の3大環境整備サービス、住宅改修、福祉用具貸与、そして特定福祉用具販売。
この後編では、「特定福祉用具販売」についてのお話と、この手のサービスの値段設定や、「例外的貸与」の制度についてお話していきます。
今までの二つのサービスでもさんざん書いてきましたけど、この特定福祉用具販売の物品こそ!!
まーーーーー!!!
みんな自費で買っちゃってるYO!!!
お金の面だけでもなく、前の二記事にさんざん書いたように、プロに選定してもらう方が自分の状態にあったものが選べますから
目次(クリックするとその項目に飛びます)
特定福祉用具販売の定義や上限額、注意点とその種類

今回も福祉用具の画像は楽天さまにご協力いただいております。
そもそも福祉用具に貸与と販売がある理由なんですけども、簡単に区別する方法をいいますと
・排泄や入浴に関する、心理的、衛生的に使いまわせないものは販売
・使用によって形や品質が変わるものも販売
これですね。これ基本。
特定福祉用具販売は5品目あります。
・腰掛便座
・入浴補助用具
・自動排泄処理装置の交換可能部品
・簡易浴槽
・移動用リフトの吊り具
で、特定福祉用具販売については、制度的には住宅改修が非常に近いので、注意点もほぼ同じ。
全部は読んでられないと思うので簡単にまとめると
・利用者本人が使うもの
・先に全額支払う償還払いと、負担割合分だけ支払う給付券払いがある
・福祉用具の購入(住宅改修も)だけのサービスの利用なら、ケアマネとの契約はいらない
このあたりが住宅改修と一緒。
だがしかし、次が違う。
特定福祉用具販売の上限額は毎年10万円
住宅改修は原則一住所につき上限20万円で、使いきったら3段階介護度が変わらない以上、その後額が増えることはありませんが、特定福祉用具はちがいます。
年度ごとに上限額が10万円。
つまり毎年4月1日から、新しく10万円が復活するのです。
じゃあ毎年新しいのじゃんじゃん買えるじゃんそうじゃんと思われるかもしれないが、そうは問屋がおろし大根です。
住宅改修もそうですが、福祉用具販売はまず保険者に申請し、許可をもらう必要があります。
保険者には、過去の購入履歴が残っているわけです。
よほどの事情がなければ、同じものは購入できません。
体の状態が変わったり、数年経って劣化が認められれば同じ品目を購入できますが、基本的には
それがどうして買い替える必要がおありで?
( ー`дー´)キリッ
言われますねキリっと言われますね。
なので、10万円が復活するからといって、そうそう毎年買い替えることはできないです。
ですから購入時は、しっかりと先々を見据えて選定する必要があります。
では、特定福祉用具販売の種類と、購入時の注意点を簡単に説明していきましょう。
腰掛便座
この品目で一番需要があるのは、いわゆるポータブルトイレです。
これもけっこうホームセンターとかで買っちゃうんですよね。
ポータブルトイレは大きく分けて2種類。

皆さんご存知の樹脂(プラスチック製)。
と

家具調(木製)。
何が違うかというとまあ材質が違うけど、家具調の方が重くて高い。
重いのは本当に重い。
見た目が気になる、一か所からほぼ動かさないなら家具調でもいいですけど、そうじゃないなら個人的には樹脂製にしたほうがいいと思います。
マジで重いから。腰いわすから。
で、このポータブルトイレなんですが、そりゃあそりゃあたくさんの種類があります。
たくさんの種類がありますというか、オプションがたくさんあります。
ソフト便座暖房便座脱臭機能にウォシュレット付き。
一番高いやつだと上限額の10万円はるか超えるのでご注意。
で、意外と便利で知っておいてほしいのがこれ。

これ、補高便座って言うんですけど、昔のおうちの洋式トイレって、便座低いじゃないですか。
それを高くするやつ。
ちょっと便座が上がるだけで立ちすわりは格段にしやすくなるので、古いトイレにおすすめ。
入浴補助用具
これだ。
ナンバーワン自費で買っちゃってる福祉用具。

シャワーチェア。
これはほんと便利なので、要介護認定を受ける前に買ってる人もいるし、それは仕方ないけど、認定結果出てから自費で買ってる人も少なくなくて
てなる。
ちなみに介護保険のパンフレットには
といいたいほど、大量のシャワーチェアが載っています。
なんか違うんでしょう。

こっちは浴槽内椅子。
とにかく介護保険で買えるものはわりといろいろあって
てなものから
なものまであるので、とりあえず何があるか聞いてください。
ほんで万が一ほしいものが介護保険対応でないなら、福祉用具事業所からじゃなくて楽天とか
↓こういうサイトで買ってください。
定価バカ高いから。
私的保険対応にしてくれよナンバーワンは

滑り止め浴槽内マットです。
あとこれも便利ですね買う人多いです。これも介護保険で購入できます。

浴槽のふちにはめて、湯船へのまたぎに使うんです。
住宅改修ができなかったりするときに、手すりの工事の代わりに設置したり。
お風呂場は本当に事故が多いので、徹底的に環境整備をするか、危険だなと思ったら潔くデイサービスに行きましょう。
自動排泄処理装置の交換可能部品
ほんま何でもあるな楽天!!

本体は福祉用具貸与。
交換部品は購入です。
移動用リフトの吊り具
こちらも移動用リフト本体は福祉用具貸与。
吊り具部分のみ購入となります。

ようわからん。←
私20年以上前、介護保険施行前のヘルパー二級の実習でいった施設でしか、移動用リフト見たことないんですよね。
だからようわからん。←
簡易浴槽
これも買ったことない。
けど楽天にはある。楽天すご。

これはいったいどういう人が購入するんでしょうか。
セッティングも大変だし、後片付けも大変なはず。
もし購入したことある人や、手続きしたことあるケアマネさんがいたら教えてほしい。
なぜ買ったのか。(おい)
ここまでが、福祉用具購入の物品の説明です。
まあ結論から言いますと、レンタル同様、販売もわりといろんなものに介護保険は適用しているので
以上。
福祉用具の値段は事業所ごとに差がある

さて 、住宅改修も福祉用具貸与も販売もひっくるめたお話です。
私はケアマネをするまで知らなかったんですけど、福祉用具等々の値段設定というのがですね。
一律ではないのですよ。
住宅改修は何となくわかるんですよね、受け持つ事業所によって、工事の費用に多少の差が出てくるというのは。
なので実際住宅改修の場合は、合い見積もりを取らせる市町村も少なくないです。
でも、私がケアマネを始めたころ(10年前)は、福祉用具レンタルや購入の時いろいろ比較して
てのはあったんです。
だから物品の値段で事業所を決めることは多々ありました、だって物は同じなんだもん。
それがですね、平成30年の10月に、福祉用具貸与の上限っていうのができまして
↑読まんでええ読まんでええ。
ようするに、福祉用具の値段に差がついてはいけませんよとなりまして。
それに伴い、上限価格よりも高い設定のところの福祉用具が、のきなみ単位変更を伝えてきたんですね。
「この度の法改正に伴い、福祉用具の単位の変更をお知らせします」って連絡が来るたび
こんなに値段下げてるてことは、高かったんやなあ
バレる。←
ただ、フォローしますけど(必死でな)、福祉用具に関しては物は同じとしても、事業所さん、特に担当者さんによって動きの良しあしは全然違いますから。
大手で高いところはしっかりしてたりしますしね。
いいですかねこんなもんでフォローこれでいいですかね。
ちなみに個性の出しにくい福祉用具、私らケアマネが何で事業所を選ぶかといいますと、一にも二にも担当者の人柄と対応の早さです。
シビアですが、二回ミスされたら、もうそこの事業所は使わないです。
なのでこれをもし福祉用具の事業所の方が読まれていたら、あなたの人柄でケアマネは仕事をお願いしていますお疲れ様です。
ちなみに上限額は決まったけど、今でもレンタルの値段(単位)には多少の差はあります。
福祉用具販売もしかり。
ふたつの事業所から合い見積もりとって、その差額にひっくり返ったことも数知れず。
なので、値段を第一に考えるなら、少し時間を取っていくつかの事業所を比べてみるのもありよりのありです。
福祉用具の自費レンタルと例外的給付の仕組み

厚労省からの通達がうまく見つからなかったので、一番わかりやすく書いてある上尾市のサイトからお借りしました。
福祉用具貸与の記事で説明しましたが、福祉用具には貸与できる要介護度に制限があるものがあります。
・ 車いす(付属品含む)
・ 特殊寝台(付属品含む)
・ 床ずれ防止用具
・ 体位変換器
・ 手すり
・ スロープ
・ 歩行器
・ 歩行補助つえ
・ 認知症老人徘徊感知機器
・ 移動用リフト(つり具の部分を除く)
・ 自動排泄処理装置
青色は要介護2以上
赤色は要介護4以上
が、原則レンタル可能というか、好きなように借りられます借り放題です。
でもそれより介護度が軽いと、原則レンタルできません。
これは平成18年の介護保険法改正でそうなったんだけど、まーー荒れたわね。
これを、書類等々提出して、市に許可を出してもらって介護保険でレンタル可能とするのが
「軽度者に対する福祉用具の例外的貸与」です。
例えばこの制度をよく利用するのは「要介護2以上でしかレンタルできない」車イスやベッドなんですが
・要支援1だけど車イス借りたい
・要介護1だけどベッドを借りたい
しかも介護保険を使って。←ここポインツ!!!
介護保険を使わなくても、要介護1以上でも、実は車イスやベッド等をレンタルする方法はあります。
通院介助の記事に、中抜きの時間は自費サービスという話を書いたのですが
自費サービスというのは、ようするに介護保険を介さないサービス。
値段設定は各事業所が自由にできるのですが
軽度者(要支援、要介護1)の方がベッドや車イスを借りたいとなった場合、今の主流は自費レンタルです。
ようするに、介護保険を通さずに自費でレンタルすると。
それなら要介護度は関係ありませんから。
ちなみに自費レンタルは、各事業所によって値段設定が違いますが、自費ベッドでだいたい1000~3000円、自費車イスで500~1000円くらいです。
先々要介護2以上になったらそのまま介護保険適用になる物を貸してくれるところもあるし
様々です
だから介護保険適用とそんなに値段が変わらないので、自費でもそう困ることはないです普通は。
じゃあなぜ値段は変わらないのに自費での利用をせず、例外的給付を利用することがあるかといいますと
・自費レンタルだと種類が少なくて選択肢がない
・生活保護だと自費レンタルの支払いがキツイ
このあたりかな。
特に生活保護の方は、介護保険適応だったら自己負担ないですし
たまにケースワーカによっては、生活保護での自費サービスは認めないって人いるしなんでか知らんけど。
じゃあ例外的給付の申請しないとなってなる。
ただ、いったん法律で決められたことを覆すわけですので、認定調査や医師の見解による体の状態で保険適応するしないは判断されますし。
そして何より、この例外的給付のハードルの高さは、市町村(保険者)ごとに大きく違います。
エベレストと天保山くらい違います。
エベレストのところでは、渾身のケアプランを作って提出してもムダ。
天保山では、この内容でいいんですかみたいなケアプランで許可。
介護保険はほんと保険者によって差があるので、あなたのお住まいの地域がエベレストか天保山かはケアマネに聞いてみてください。
住宅改修、福祉用具貸与、福祉用具販売のまとめ

↑これ私が一番感動したレンタル品。たちあっぷの上がりかまち用。
では前編で住宅改修、中編で福祉用具貸与、この後編で福祉用具販売とその他の話をいたしました。
本当は一回にまとめるはずでしたがとても無理でした。
長々書いたんですけど、言いたかったことはただひとつ。
福祉用具勝手に買わないで!!相談して!!
今は楽天でも
↑今回もお世話になりました品ぞろえに脱帽です
ホームセンターでも下記のような専門サイトでも
介護用品が売っている時代です。
そういったところで買うなとは言いませんが、とりあえず購入前にわたくしどもプロにですね、ご相談いただけたら
と、私らが吠えることもなくて済みますし、体に合ったものを上手に選定できますので。
お気軽にご相談くださいね!