ケアマネ日記

親の年金で暮らしていた引きこもりの男性 両親が亡くなったあとのお話

引きこもりのまま歳を重ね、自身の収入はなく、両親の年金で生活している。

いつか両親が亡くなったらどうなってしまうのか。

 

必ずいつかは訪れる親の死から、目をそらし生活していった結果、いざという時困ってしまう人は少なくありません。

そういった事例のひとつを紹介します。

 

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就職したいけどどうすればいいかわからなくても大丈夫

まずは相談を☆

 

こちらでも、高齢者と引きこもりについてお話しましたが

引きこもりの子供と暮らす高齢者前編 息子に大人の発達障害が見つかる

引きこもりの子供と暮らす高齢者後編 生活が難しくなったらどこに相談?

ある意味その先の話といいましょうか

いつまでもあると思うな親と金。

というお話です。

ふう
ふう
はじまりはじまり。

 

両親が亡くなった後生活に困っていた引きこもり男性

その方の連絡は、とある病院から受けました。

糖尿病で下肢切断の40代後半男性がいるので担当してほしいとのこと。

ちなみにですが、この方は人工透析もしているので、身体障がい者手帳の一種一級を持っています。

 

そして64歳以下ではありますが、糖尿病性神経障害を発症していますので、介護保険の特定疾病にあたり、何らかのサービスを利用したい場合は

障がいの方の保険より介護保険を優先しなくてはならず、二号保険者として介護保険の申請をしなくてはいけません。

 

このあたりのクソややこしさは海より深いので、また詳しくお話したいと思います。

ふう
ふう
マリアナ海溝より深いの

で、そんなAさんに会いに病院に行ったのですが、行く前はですね、私もちょっとした緊張感はあったわけです。

だってたいして年変わらないし。

 

私は高齢者に対しては無敵の図々しさを持っていますが←

さすがに同世代の男性なら、ちょっとそうもいかないですよね。

でもね、出会ってしばらくしてその思いは消えました。

ふう
ふう
もしかしたら専門分野かもしれん。

 

Aさんはにこにこしていてとても良い方です。小柄でおとなしそうな方でした。

でも、普通の社会人の40代男性という感じは全くしなかった。

幼いというか、はっきり言っちゃうと何らかの特性を抱えた感じであることは、専門職ならすぐに感じ取ることができると思います。
そういうタイプです。

 

もともと、ご両親と住まわれていた未婚の方で、ご兄弟もおられずほぼ身寄りがないという話までは聞いていました。

ふう
ふう
逆に言えばそこまでしか聞いてなかったもっと他に伝えることあるやろ病院さんよ

 

ただですね

40歳の手前で病気をしてからは全く働いておらず、Aさんのわずかながらの障害年金と、ご両親の年金を合わせて生活していたとか

それでも親御さんが亡くなる直前は、生活に困窮してご飯と納豆しか食べていなかったとか

父親に続いて母親が亡くなった後は、家事全般が全くできないので、ろくにご飯を食べていなかったとか

いやそもそも家がもう、これはどのルートを歩けばいいのかな的な汚屋敷であるとか

下肢切断してるのに寝床は二階しかないし階段急やし手すりはないしさりとてトイレは一階だしとか

 

退院してから帰った自宅で知っても時すでにお寿司

ふう
ふう
もしくは遅し。

退院同行したMSWさんとリハビリさんとで立ち尽くしたのでしたまる。

ふう
ふう
さあ戦の始まりよ!!

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この男性は働く意欲はありましたが、どこに相談していいかわからず時が流れていました。

そういった方にぜひ知っていただきたい就労支援サービスです。

 

引きこもり 両親が生きている間に手続きをしておくべきだったこと

ここでもう一度お話をまとめますと、私がAさんと関わることになったのは、在宅に戻ってからの生活環境を整えるため。

 

下肢切断しているので、住宅改修は必要でしょう。
様々な話を聞く前は、訪問のリハビリもいるなとか、透析だし配食弁当も利用しよう、掃除や洗濯のための訪問介護も必要だなとか、まあSWさんと話してたんですけど。

先立つものが全くなかった件。

ふう
ふう
先立つものってめっちゃ洒落た言い方ですよね☆

 

とにかくもう退院だってのに介護保険の申請もしてなかったので、結果がどう出るかもわかりません。

ふう
ふう
そろそろいうけどこの病院ぼんくらで有名なの。

 

そうなると、特に訪問介護は要支援が出るか要介護が出るかで金額も変わります

多分ないとは思うけどもし暫定でサービスを動かして結果が「非該当(自立)」であれば、全額自己負担ですし

そもそも手すりを付ける住宅改修は、結果が出ていなければいったん全額実費で支払い、結果が出しだい保険請求で1~3割負担になります(償還払い制度)。

 

で。

そういったことを説明するんですけど、いまいち伝わらないというか会話がかみ合わないというか。

Aさん的こだわりとかが多くて、なかなかこちらの生活に対するアドバイスを聞いてくれなかったり。




ふう
ふう
二階は階段が危険なので、ゴミ屋敷の一階を片付けて、そこで寝ましょう。

「いや、二階のほうが景色いいから」

あたり一面住宅街やわな。

 

ふう
ふう
家にあるお米炊いて、缶詰とか食べて食費節約しましょう

「ご飯はたくさんで炊かないとおいしくないけど、僕は一日一合しか食べないので、コンビニでレトルトのご飯買います」

どこの美味しんぼや。

 

ふう
ふう
さすがに洗濯はヘルパーに頼まな無理ですよ

「1キロくらい離れたにコインランドリーがあるのでそこに持っていきます」

 

理。

 

 

おそらく今まで家事は親御さんがしてきたことと、本人さんなりのこだわりがあることから、なかなか話は進まず平行線です。

それに加えて、ほんのわずかな貯えも、亡くなった親御さんの口座に入っていて引き出せないとか、様々な思い通りにならないことや生活の不安から、はじめは穏やかだったAさんがどんどんやさぐれていきました。

はっきり言ってここまで来たらケアマネ全然関係ないです。

ふう
ふう
これほんまマジ関係ない。

 

なので地域包括や社会福祉協議会に相談はしたけれど、先方様もプロ、捕まえたケアマネを逃がすわけもない。

ふう
ふう
駄菓子菓子今思い出した、まだ介護保険の結果出てないから契約もしてないし、私ケアマネじゃないじゃんじゃん

かくして今まさにこのAさんの生活をどげんかせんといかんプロジェクトが始まってるんですけどね。

 

生活保護を受けるには持ち家があるし

預貯金もわずかに残っているが口座凍結して引き出せないし

一般就労支援を受けるには障がい者手帳があり

高齢者ではないのに介護保険適応なのでなかなかふさわしいサービスも見つかりにくく

おそらく発達ないしは精神に障がいはあるけど診断は下りていない。

 

とことん制度のはざまに落ちたAさんをどうにかしてあげたいとは思うのですが、なかなか話は簡単ではありません。

せめて親御さんが存命のうちにどこかに相談に行ってくれたらよかったのですが、Aさんの話ですと、昭和一桁生まれのお父様が、行政の支援を良しとしなかったそうです。

 

Aさんは大変な状況ではありますが

ふう
ふう
他人事みたいに言ってますが私もです

できるできないは別として、就労意欲はとてもとてもお持ちなんですね。

病気だし障がいもあるけど働きたい。

働いて生活を良くしたい。

 

それが、ご両親が亡くなってからの焦りなのか、以前からそうだったのかはわかりませんが、その気持ちは尊重して、どうにか良い方向にもっていきたいなと思っています。

そう、この話は実は超っ絶フレッシュな出来事!!

ふう
ふう
まだ認定調査も終わってないわい!

私も乗りかかった船だし船に乗ったケアマネだし、行政と協力しながらこれから頑張っていきたいと思います。

 

とにかく救いは、このAさんが何とかしてほしいと周りにSOSを出すことができていること。

本人に危機感があるので、おそらくそうこじれずに話が進むと思います。

ふう
ふう
良い報告ができる日をお待ちあれ♡

 

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ぜひ諦めないで自分にあった仕事を探してくださいね。